一棟マンション投資「差別化戦略の手引書」

利回りの相場、理想的な利回りは

せっかく不動産投資をするなら、収益性の高い物件を狙いたいとお考えの方は多いでしょう。

弊社代表を務める大塚が収益性を評価するための重要な指標である「利回り」について解説いたします。

INDEX目次
マンション投資イメージ

利回りには
「表面利回り」「実質利回り」の2種類がある

相談
相談者:

利回りについて「表面利回り」と「実質利回り」の2種類あると聞いています。この2つの指標を物件選定の際にどのように捉え、活用していくべきかアドバイスをいただけますでしょうか?

ツナガルデザイン 大塚

まず、表面利回りですが、これは物件価格に対して年間の家賃収入がどれくらいかを示す、比較的シンプルな指標です。例えば、2,000万円の物件で年間の家賃収入が200万円であれば、表面利回りは10%となります。同じく2,000万円の物件で年間の家賃収入が400万円であれば、表面利回りは20%です。大まかな収益性を把握する最初のステップとして使えます。

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相談
相談者:

なるほど。表面利回りは、物件のポテンシャルを大まかに掴むための初期的なフィルターのような役割と理解してよろしいでしょうか。

ツナガルデザイン 大塚

その通りです。しかし、より重要なのは実質利回りです。なぜなら、こちらが実際に手元に残る収益に近い数値を示すからです。実質利回りは、物件購入時にかかった諸費用(仲介手数料や登記費用など)や、物件を維持管理していくための年間コスト(固定資産税、都市計画税、修繕積立金、管理費、火災保険料など)を考慮して算出します。

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相談者:

やはり、ランニングコストまで含めて考えないと、本当の収益性は見えてこないということですね。

ツナガルデザイン 大塚

おっしゃる通りです。実質利回りの計算式は以下のようになります。

実質利回りの計算式

ご覧いただくと分かるように、表面利回りが収入面だけに着目しているのに対し、実質利回りは支出面も考慮するため、より現実に即した収益性を判断できる指標と言えます。

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相談
相談者:

確かに、この計算式を見ると、諸経費が収益性に大きく影響することがよく分かります。表面利回りが高くても、諸経費がかさめば実質利回りは下がってしまいますね。

ツナガルデザイン 大塚

まさにその通りです。ですから、物件を選定される際には、魅力的な表面利回りの数字だけでなく、必ず実質利回りを確認し、ご自身の投資計画に合致するかどうかを慎重に判断することをおすすめします。長期的な視点で見れば、この実質利回りの方が投資の成否を左右すると言っても過言ではありません。

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まとめ

  • 表面利回り … 家賃収入 ÷ 物件価格。まずの比較用
  • 実質利回り … (家賃収入 − 諸費用・運営コスト) ÷ 総投資額。実際の儲けを見る核心指標
  • 表面だけで判断せず、最終チェックは必ず実質利回りで

マンション一棟買いした場合の
利回りシミュレーション例

マンション一棟投資の収益性を判断するためには、実際にシミュレーションを行うことが重要です。以下に、シンプルなシミュレーション例を示します。

中古マンションの場合

【計算】

表面利回り=780万円 ÷ 1億円 × 100 = 7.8%

実質利回り=(780万円 - 156万円) ÷ (1億円 + 1,000万円) × 100 = 5.67%

新築マンションの場合

【計算】

表面利回り=1,440万円 ÷ 3億円 × 100 = 4.8%

実質利回り=(1,440万円 - 288万円) ÷ (3億円 + 2,100万円) × 100 = 3.59%

このように、物件の種類や状態、家賃設定、運営経費などによって利回りは変動します。表面利回りだけでなく、実質利回りも確認しながら、各種シナリオ(例えば、空室率が上がる場合、経費が増加する場合など)を想定し、投資の益性を慎重に評価することが大切です。

実質利回りを上げるには?

相談
相談者:

この実質利回りを上げるための具体的な戦略やポイントがあれば教えていただけますか?

ツナガルデザイン 大塚

改めて実質利回りの計算式を確認しましょう。

実質利回りの計算式

この式からわかるように、実質利回りを向上させるためには、大きく分けて2つのアプローチがあります。それは、【分子である(年間家賃収入 - 年間の諸経費)を増やす】か、【分母である(物件価格 + 購入時の諸経費)を減らす】ことです。

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相談
相談者:

なるほど、非常にシンプルですが、本質的ですね。ではまず、分子を大きくする、つまり「年間家賃収入を増やす」または「運営経費を削減する」という点について、具体的な方法を教えていただけますか?

ツナガルデザイン 大塚

はい。まず「年間家賃収入を増やす」ための方法ですが、主に以下の3つの施策が考えられます。

  1. 家賃の値上げ・内装リノベーション: 物件の共用部分や各住戸にリノベーションを施すことで、物件の魅力を高め、結果として周辺相場よりも高い家賃設定が可能になることがあります。時代に合わせたデザインや設備を導入することがポイントです。
  2. 入居率の向上: これは収益安定化の基本です。効果的な広告戦略、信頼できる賃貸管理会社の選定と活用、そして入居者様に対する迅速かつ丁寧なサポート体制を整えることで、空室期間を最小限に抑え、安定した家賃収入を確保します。
  3. 付加価値の提供: 例えば、敷地内駐車場の確保、便利な共用施設(宅配ボックス、ラウンジなど)の充実、あるいはペット共生型にする、高速インターネット環境を整備するなど、他の物件との差別化を図ることで、家賃アップや入居率向上に繋げることができます。
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相談者:

リノベーションや入居者募集の工夫、そして物件独自の強みを打ち出すということですね。特に付加価値という点では、何か具体的な事例はありますか?

ツナガルデザイン 大塚

そうですね、例えば最近注目されているものに「防音性能」に特化したマンションがあります。楽器演奏を趣味とされる方や、在宅ワークで静かな環境を求める方など、特定のニーズを持つ層から非常に高い支持を得ています。実際に、ある防音賃貸マンションブランドでは、稼働率が98.5%(2024年3月31日時点)と非常に高く、2,000名以上(2025年11月時点)の方が入居待ちをしているというデータもあります。このように、明確なコンセプトを打ち出し、ターゲット層に響く付加価値を提供することも、家賃収入の増加に繋がる有効な手段と言えるでしょう。

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相談
相談者:

「防音マンション」ですか、なるほど。特定のニーズに応えることで高い入居率を維持できるというのは魅力的ですね。では次に、分子を増やすもう一つの要素である「運営経費の削減」についてはいかがでしょうか?

ツナガルデザイン 大塚

運営経費の削減も、実質利回りを着実に向上させるためには欠かせない視点です。具体的には、以下のような点が挙げられます。

  1. 管理費や修繕費の見直し: 現在委託している管理会社のサービス内容と費用を定期的に見直し、複数の会社から見積もりを取るなどして比較検討することで、コストパフォーマンスの高い管理会社へ変更したり、管理費の適正化を図ったりすることができます。修繕費についても、長期修繕計画を精査し、無駄なコストが発生していないか確認しましょう。
  2. 予防保全の徹底: 建物の定期的な点検やメンテナンスをしっかりと行い、エネルギー効率の高い設備へ計画的に更新していくことで、突発的な大規模修繕の発生リスクを低減し、長期的な視点でのコストを抑制できます。
  3. 保険や税金の最適化: 火災保険や地震保険などの損害保険は、複数の保険会社や代理店から見積もりを取り、物件のリスクや状況に応じた適切な補償内容と保険料のものを選ぶことが重要です。また、税理士などの専門家と連携し、活用できる節税対策を検討することも経費削減に繋がります。
ツナガルデザイン大塚五郎右エ門
相談
相談者:

収入を増やし、支出を抑える。基本的なことではありますが、具体的な施策として伺うと、多岐にわたる検討事項があることがよくわかりました。これらの積み重ねが実質利回りの向上に繋がるのですね。

ツナガルデザイン 大塚

その通りです。そして、実質利回りを向上させるもう一つの大きな柱である【分母(物件購入価格+諸費用)を減らす】という点も非常に重要です。これには、物件選定の目利きや価格交渉などが関わってきますが、これについてはまた別の機会に詳しくご説明できればと思います。

ツナガルデザイン大塚五郎右エ門

まとめ

  • 実質利回り向上の公式 … 分子(収入-経費)を増やす or 分母(購入価格+諸費用)を下げる
  • 収入アップ策 … リノベで家賃UP・広告/管理改善で空室対策・防音など付加価値で高単価
  • 経費ダウン策 … 管理・修繕費を見直し/予防保全/保険・税金の最適化
  • 購入コスト圧縮 … 目利き&価格交渉で総投資額を削る

不動産投資における利回りの相場は?

不動産投資の利回りについて、「何%が相場」と言うことはできません。投資用のマンションは一棟・ワンルーム、新築・中古などさまざまなバリエーションがある上、地域によっても期待できる利回りが異なるからです。

ただし、基準となる数値はあります。不動産投資家がどれくらいの利回りを期待しているかを集計した「期待利回り(キャップレート)」は、利回りの基準として用いられています。

例えば、日本不動産研究所が行った「不動産投資家調査」(2024年10月)※によると、東京の城南地区におけるワンルームマンション1棟の期待利回りは3.8%。ファミリータイプの期待利回りも3.8%です。「期待利回り(キャップレート)」を基準とすることで、検討している物件の利回りが妥当かどうかを判断することが可能です。

理想の利回りはどれくらい?

相談
相談者:

よく「高利回り物件」という言葉を耳にしますが、一般的にどれくらいの利回りを目指せば良いものなのでしょうか?

ツナガルデザイン 大塚

「理想の利回り」ですね。これは多くの方が気にされる点ですが、実は「何%が理想です」と一概に申し上げるのは難しいのです。なぜなら、不動産投資をされる目的や、その方がどれだけリスクを許容できるかによって、目指すべき利回りの水準は大きく変わってくるからです。

ツナガルデザイン大塚五郎右エ門
相談
相談者:

投資目的やリスク許容度によって異なると。

ツナガルデザイン 大塚

はい。例えば、「本業の収入があるので、不動産投資はあくまで副収入として、お小遣い程度のプラスがあれば満足」「老後に向けた長期的な資産形成の一環として、安定的に運用したい」といったお考えであれば、利回りが3~4%程度でも十分に目的を達成できるケースがあります。一方で、不動産投資を事業として本格的に展開し、より大きなキャッシュフローを目指すのであれば、8%以上の利回りを一つの目安として追求していくことになるでしょう。

ツナガルデザイン大塚五郎右エ門

まとめ

  • 理想利回りは目的次第 … 投資目的とリスク許容度で水準が変わる
  • 副収入・安定重視 … 3〜4%でも十分に目標達成可
  • 事業として高キャッシュフロー … 8%以上を一つの目安に
  • 数値よりも自分のゴールと許容リスクを基準に設定

利回りだけ気にしていると失敗する?

相談
相談者:

目的によって目標値が変わるわけですね。ただ、一般的に高利回りの物件はリスクも高いと聞きますが、そのあたりはいかがでしょうか?

ツナガルデザイン 大塚

おっしゃる通り、その点は非常に重要なポイントです。「利回りが高いほど良い物件だ」と短絡的に考えてしまうのは避けるべきです。利回りが高いということは、裏を返せば「物件価格が何らかの理由で安く設定されている」ということでもあります。そして、物件が安く売られているのには、必ず何かしらの理由が存在すると考えるべきです。

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相談
相談者:

安く売られている理由ですか…具体的にはどのようなケースが考えられるのでしょうか?

ツナガルデザイン 大塚

様々な理由が考えられます。例えば、入居者トラブルが頻発している、長期間空室が続いている、近いうちに大規模修繕工事が予定されており多額の費用負担が見込まれる、あるいは売主様が何らかの事情で急いで資金化する必要に迫られている、などです。こうした背景にある理由を必ず詳細に分析し、潜んでいるリスクを正確に把握した上で、投資判断を下すことが極めて大切です。

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相談者:

やはり、利回りの数字だけに飛びつくのは危険だということですね。利回り以外にも、物件を選定する際に特に注意すべきポイントがあれば、ぜひ教えていただきたいです。

ツナガルデザイン 大塚

はい、利回りはあくまで投資判断の一つの指標に過ぎません。それ以外にも、多角的に物件を評価し、リスクを見極める必要があります。特に注意していただきたいポイントをいくつか挙げさせていただきます。

まず、「稼働率」です。
物件から得られる実際の賃貸収入は、提示されている利回りと、実際の稼働率を掛け合わせて算出されます。例えば、表面利回りが10%と非常に高くても、実際の稼働率が20%であれば、実質的な収益率は2%にしかなりません。したがって、現在の入居状況はもちろん、将来的な入居需要の安定性を見極めることが非常に重要です。

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相談
相談者:

稼働率が低いと、いくら想定利回りが高くても意味がない、ということですね。

ツナガルデザイン 大塚

その通りです。次に、「将来の資産価値」です。
特に長期的な投資をお考えの場合、物件の資産価値が将来どのように変動していく可能性があるのかを考慮に入れる必要があります。例えば、人口減少が予測されるエリアや、インバウンド需要の恩恵を受けにくい立地の物件は、将来的に資産価値が下落するリスクが高まります。

そして、「賃料変動」のリスクです。
新築時の家賃が永続的に維持できるわけではありません。一般的に、築年数が経過するにつれて賃料は下落する傾向にあります。過去の類似物件の賃料推移などを調査し、将来的な賃料下落率をある程度予測し、収支計画に織り込んでおくことが重要です。

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相談
相談者:

将来を見据えた検討が必要なのですね。

ツナガルデザイン 大塚

はい。さらに、「周辺環境」の調査も欠かせません。
例えば、近隣で再開発が予定されているエリアであれば、将来的に利便性が向上し、資産価値の上昇が期待できるかもしれません。一方で、物件の周辺にお墓や高架線路、騒音や振動を発する工場、あるいは電磁波を発する可能性のある電波塔などが存在する場合、いわゆる「嫌悪施設」と見なされ、入居者募集に苦戦したり、賃料に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

最後に、「事故物件ではないか」という点も必ず確認してください。
過去にその物件で事件や事故が発生していないか、いわゆる事故物件の履歴がないかを確認することは非常に重要です。事故物件の情報は専門のサイトなどで確認することができます。心理的瑕疵は、賃料や売却価格に大きな影響を与える可能性があります。

ツナガルデザイン大塚五郎右エ門
相談
相談者:

利回り以外にも、稼働率、将来性、賃料の変動、周辺環境、そして物件の履歴と、本当に多角的な視点でのチェックが必要だということがよく分かりました。

ツナガルデザイン 大塚

その通りです。また、広告や物件資料に記載されている利回りについても注意が必要です。魅力的な数字が大きくうたわれていても、それが購入時の諸経費や賃貸経営にかかる経費などを一切考慮していない「表面利回り」のみであるケースも少なくありません。提示された情報を鵜呑みにせず、ご自身でしっかりと実質利回りを計算し、詳細な情報を収集・分析することが、失敗しない不動産投資の第一歩と言えるでしょう。

ツナガルデザイン大塚五郎右エ門

まとめ

  • 高利回り=高リスクの可能性 … 安値の背景を必ず調査
  • 安値の典型要因 … 空室長期・入居トラブル・大規模修繕予定・売主の資金化急ぎ など
  • 利回り以外の必須チェック … 稼働率 / 将来資産価値 / 家賃下落リスク / 周辺環境 / 事故物件履歴
  • 提示利回りは鵜呑みにしない … 表面か実質かを確認し自分で計算

安定した利回りの一棟マンション投資とは?

一棟マンションの収益性を評価するための重要な指標である「利回り」について、分かりやすく解説しました。利回りは「高ければ高いほど良い」というわけではありません。利回りが高すぎる物件には、何かしらの理由があるため、必ず分析した上で検討してください。

おすすめは、賃貸需要が高く、空室リスクが低い物件です。4%程度の利回りでも、空室リスクが低ければ安定した収益を得られる上、いざとなったら売却しやすいというメリットがあります。

こちらのページでは、入居者が絶えない防音マンション投資について説明しています。ぜひチェックしてみてください。