老後の資金問題で投資への注目が高まっていますが、中でもマンション投資は特に人気があります。このページではマンション投資で一棟建てる場合にかかる費用の相場や内訳のほか、費用を抑えるためのポイントなどを解説します。
住宅やマンション・アパートなどの不動産を建築する際、建築費の目安として示される指標が「坪単価」です。マンション建築における坪単価は建物の構造によって相場が異なりますが、以下で一般的な坪単価を紹介します。
上記のように、構造別でみるとS造<RC造<SRC造の順番でかかる費用が大きくなり、これが建築費総額の価格差異にも直結する形となります。
もう一つ建築費用に大きな影響を及ぼす要素が、物件の階層です。2階建にするのと5階にするのでは大きく費用が異なってきますので、予算を踏まえて構造と階層の組み合わせを検討する必要があります。なお、あくまでも一例ではありますが、階層・構造別の建築費は以下のようなイメージです。
マンション建築にかかる費用は、地域によっても相場が変わってきます。理由としては建材費・人件費の水準や建築環境の問題があるためです。都市部の方が建材費や人件費などの物価と呼ばれる諸々の費用水準が高くなっているため、建築費が大きくなりがちです。また、建築環境としては建築予定地に重機が入りやすいかどうかも重要なポイントになってきます。建物が密集している都市部である場合、追加の機械や人員を調達する必要が出てきてしまうと建築費総額としてもさらに大きくなるでしょう。
マンション建築における本体工事費とはマンションの構造や部材、建築にかかる人件費などを含めた費用のことをいい、建築費用総額の半分~7割程度を占めることになります。この本体工事費は先に紹介した「坪単価」に延床面積を乗じて算出することになりますので、当然ですが坪単価が上がる、もしくは延床面積が広くなればその分工事代金がかさむことになるでしょう。
マンション本体に関する工事費以外にもさまざまな工事費が必要になるマンション建築。屋外給排水や電気・ガス工事、駐車場、アプローチ、エクステリアなどの外構費、地盤改良工事、空調設備といった付帯設備にかかる費用は「付帯工事費」として分けて考えます。この付帯工事費は建築費全体のうち15~20%前後を占めるといわれており、道路から建物までのアプローチが長いと給排水管の引き込みが長くなるため高額に、地盤が弱いと地盤改良やくい打ち工事が必要になるため高額になるなど、建築地の状況・環境によっても費用水準は大きく変動することになります。
マンション建築における諸費用は、マンション建築工事や付帯設備などのハード面以外にかかる費用のことを指しています。建築費総額のうち1割程度が諸費用に該当すると言われており、具体的にはローン手数料や不動産登記にかかる手数料、不動産取得税、建物にかける火災保険などが挙げられます。マンション投資を自己資金100%で始める方は少ないと思いますので、おそらくほとんどの方が事業用ローンを利用した計画で進めるでしょう。しかしこの諸費用に関してはそのローンに含めず、自己資金で行うことが一般的ですので注意しておきましょう。
こちらで紹介する費用はあくまでも一例ですが、3階建・鉄骨造(S造)における建築費用は以下の通りです。
参照:https://land.ieul.jp/column/articles/1934/
しかしながら実際の建築費は建物の構造や大きさのほか、立地や導入する設備などさまざまな要素で大きく変動しますので、あくまでも参考数値としてお取り扱いをお願いします。当然ながらフロアが増えればその分建築費はかさみます。次に、5階建の場合における建築費用例を紹介します。
次に紹介する5階建の建築費用例は、鉄筋コンクリート造(RC造)で敷地面積80坪と仮定し、さらに建ぺい率や容積率の制限も加味したシミュレーションとします。
参照:https://land.home4u.jp/guide/mansion-management-17-10459
実際の建築費用に関しては、このほかにもデザインや導入する設備などの要素によっても大きく金額が変わります。高層建築や複雑なデザイン、最新設備を取り入れるなどすると建築費は相場よりも高額になるでしょう。
建築費の総額を大きく上下させる要因として、「付帯設備にどこまでこだわるか」というポイントがあります。ターゲットとなる入居者のエリアや年齢層などを踏まえ、ニーズに即した必要な設備に絞ることをおすすめします。あれもこれもと詰め込みすぎるとコストが大きくかさみますが、一方で「必要がないのでほとんど使っていない設備」が登場することにもなりかねませんので、ニーズとコストのバランスを見ながら検討しましょう。
建築費総額を大きく上下させる他の要因として、建設予定地の立地もあります。駅近・商業施設がある・学校があるなどのように「居住用物件を選ぶ際における立地」とは少し意味合いが異なり、ここでいう立地は土地の広さや形状・周囲の交通状況・所在地の条件を指します。この立地によって工事効率が大きく変わる恐れがありますので、土地選びの際には複雑な土地でないか、工事車両の出入りがしづらくないかなどといったポイントも確認しておくことをおすすめします。
工事費用をできるだけ抑えるという観点からは、相見積もりや複数社からの見積もり取得も効果的です。1社だけに見積もりを依頼すると提示された費用が高いのか安いのかという判断ができませんので、必ず2社以上から見積もりを取得するようにしましょう。場合によっては他社の見積もりを提示し、その内容や金額を比較しながら交渉することも可能でしょう。一括見積サイトなどをうまく活用すると、効率的に見積もりを取得できます。
入居率を高めるためにはさまざまな要素が影響しますが、やはり「住み心地」はその多くを占めることになるでしょう。周囲や隣、上下階の音が響かない遮音性の高さや外気の寒暖の影響を受けにくい断熱性能、万が一の火災の際にも延焼しにくい防火性能などの住宅性能にはこだわる必要があります。ここをおろそかにしてしまうと住宅としての安全性が疑われてしまい、「安心して暮らせる家」としての評価が得られず入居率が下がってしまうかもしれません。
マンションにはさまざまな設備が付随しますが、「必要不可欠な設備」「あった方がよい(便利な)設備」はしっかりと備えておくことをおすすめします。例えばエアコンは今や欠かせない設備になっていますが、食洗機・モニター付きインターホン・宅配ボックスはマストではないでしょう。しかし最近ではこれらの「ベターな設備」を標準搭載している物件も非常に多くなっていますので、競合物件に負けないためにもこれらの設備を備えておくとよいでしょう。
投資用マンションである以上、空室がない状態で稼働し続けることが目標になります。そうなるためにはターゲットとなる入居者に過不足ない住居環境を提供する必要がありますので、そもそもの立地や間取り設計など、需要に即した仕様を重視すべきです。作り手のこだわりを重視しすぎると奇抜なデザインやおしゃれなマンションは出来上がるかもしれませんが、住むうえでの使い勝手が悪くなかなか入居が決まらないという本末転倒な事態にも陥りかねません。