マンションを一棟買いして自分で住む場合、大きく分けて2つのスタイルがあります。「賃貸併用住宅」として住む方法と、「投資用マンションに住む」方法です。
目次賃貸併用住宅は、自分が暮らすスペースとは別に、他の部屋を人に貸して家賃収入を得るスタイルの住宅です。つまり、「住みながら稼ぐ」ことができるのが大きな特徴。
この場合、建築基準法上、自分の住まい部分が建物全体の50%以上あることが条件になります。これを満たせば、住宅ローンを使える可能性が高く、投資用ローンよりも低金利で借りられるのも魅力のひとつです。
また、自分がその場に住んでいることで、物件の管理がしやすく、管理費などのコストも抑えられる傾向にあります。固定資産税の軽減や住宅ローン控除など、税制面でも優遇される場合があります。
一方で「投資用マンションに住む」とは、本来収益を目的とした物件を自分の住まいとして使うスタイルです。
このケースでは、自分が住むスペースは最小限。ほとんどの部屋は人に貸して、家賃収入で利益を上げることが目的です。ローンも住宅ローンではなく「投資用ローン」となり、金利はやや高めで、自己資金の負担も大きくなります。
ただし、駅チカなど立地の良い物件や、設備が充実したマンションを選べば、空室リスクが少なく、安定した収益が期待できます。さらに、将来的な売却時には資産価値の上昇による利益(キャピタルゲイン)も狙える可能性があります。
まとめると…
賃貸併用住宅は、住んでいるスペースが建物全体の50%以上あれば「住宅ローン控除」の対象になります。この制度を使えば、年末のローン残高の0.7%(最大で年40万円分)を、所得税や住民税から10年間差し引くことができます。
たとえば、ローン残高が5,000万円ある場合、1年で最大35万円、10年で最大350万円の節税が可能になるというわけです。
さらに、固定資産税もお得に。自宅部分に関しては、購入後3年間、税金が半額になる特例もあります。
3戸を賃貸に出していて、満室なら月36万円の収入が見込めます。でも、1戸空室になると収入は24万円に減少。それでもなんとかローンの返済額(22万6,000円)はまかなえますが、2戸空室になると収入は12万円までダウン。毎月10万円以上の赤字になってしまいます。
さらに、入居者募集のための広告費や、家賃の値下げなどのコストもかかってきます。空室が短期間でも家計への影響は大きくなります。
賃貸併用住宅には、「家に住みながら収入を得られる」という大きな魅力があります。一方で、空室リスクといった注意点も見逃せません。自分のライフスタイルや性格に合っているかどうか、事前によく考えてから検討するのがポイントです。
投資用マンションでは、自分が住むスペースを最小限にして、ほかの部屋をすべて貸し出すことで、大きな家賃収入を得られます。
たとえば、都心の人気エリアに1億円でマンションを購入し、10部屋を1部屋あたり月15万円で貸したとします。すると、月150万円、年間で1,800万円の家賃収入が見込めます。
ローンの返済や管理費などの諸経費を引いても、年間500〜800万円ほどが手元に残る可能性もあります。上手に運用すれば、短期間で初期投資を回収できることも夢ではありません。
立地が良いマンションを選べば、将来的に資産価値が上がる可能性もあります。
たとえば、1億円で購入した物件が、10年後の再開発などで価値が1億3,000万円になったとしましょう。この場合、売却すれば3,000万円の利益(=キャピタルゲイン)が得られる計算です。
その間にも家賃収入が得られていれば、ダブルで収益を得られることになります。特に都市部の物件は売却しやすいため、資産形成に向いていると言えるでしょう。
投資用マンションを買うときは、「投資用ローン」を使うのが一般的です。住宅ローンと比べると、金利が高くなる傾向があります。
たとえば、住宅ローンの金利が0.5〜1.5%なのに対し、投資用ローンは2〜4%ほど。仮に1億円を借りた場合、金利1%だと月の返済額は約32万円ですが、2%になると約37万円に増加。年間では60万円以上、負担が増える計算になります。
金利がたった1%違うだけでも、支払い総額に大きな差が出るので注意が必要です。
投資用マンションでは、できるだけ部屋を貸して収益を得るのが目的。そのため、自分が住むスペースは小さめになるのが一般的です。
たとえば10部屋あるマンションで1部屋だけを自分用に使うと、その部屋は20㎡前後のワンルームというケースも珍しくありません。家具を置くスペースが限られ、広々とした生活には向いていないでしょう。
一人暮らしで割り切って使うなら問題ありませんが、家族がいたり、長く住みたいと考えている人には、やや不便に感じられるかもしれません。
投資用マンションに住むことには、高い収益性や資産形成といった大きな魅力があります。ただし、ローン条件の厳しさや住環境の制約といったデメリットもあります。
「住まい」としての快適さを優先するのか、「投資」としての収益性を重視するのか。自分のライフプランに合わせて、慎重に選びましょう。
一棟マンションを「自分で住みながら運用する」場合、通常の不動産投資よりも考えるべきポイントが多くなります。ここでは、初めての方でもスムーズに進められるよう、購入から入居までの流れをステップごとに解説します。
まず最初に、「自分がどんな暮らしをしたいのか」「どの程度の収益を得たいのか」を明確にしましょう。
たとえば「家賃収入でローンをまかないたい」「将来は家族で広く暮らしたい」「老後の資産形成も兼ねたい」など、目的によって物件選びやローンの組み方が変わります。
次に、自己資金と借入額のバランスを考えます。自宅部分がある場合は住宅ローンを使えることもありますが、賃貸併用割合によっては投資用ローンとなることも。
物件価格だけでなく、諸費用(登記費用・仲介手数料・火災保険料など)や、購入後の修繕費・管理費も含めた「トータルコスト」で見積もることが大切です。
物件探しでは、「自分が住みやすい立地」かつ「入居者が付きやすい立地」を両立させるのがポイント。駅徒歩10分以内、生活利便施設の充実度、治安などをチェックします。
不動産会社に「賃貸併用住宅として利用したい」と伝えると、ローン条件に合う物件を紹介してもらいやすくなります。
住宅ローン・投資用ローンのどちらを使うかを金融機関に相談します。自宅部分の割合や、返済原資(家賃収入の見込み)によって審査基準が異なります。
複数の銀行に事前審査を申し込むことで、金利や借入条件を比較できるのもポイントです。
契約・決済が完了したら、いよいよ物件の引き渡しです。購入後は、自分の住戸のリフォームや、賃貸部分の入居募集を同時に進めます。
信頼できる管理会社を選び、家賃集金や入居者対応を委託すれば、負担を軽減しながら安定運用を目指せます。
一棟マンション投資で「自分も住む」という選択は魅力的ですが、賃貸経営の視点と居住者の視点、その両方を満たす物件を選ぶ必要があります。利回りだけでなく、オーナーとしての快適さ、入居者へのアピール力を高めるための重要なチェックポイントを紹介します。
単なる投資物件としてだけでなく、オーナーが実際に住むことで得られるメリットを入居者に還元できる立地を選びましょう。
| 視点 | 具体的な選び方 | 入居者へのアピールポイント |
|---|---|---|
| ターゲット層の明確化 | 自分が住むことで、そのエリアの住みやすさ(治安、買い物、子育て環境など)を深く理解できるエリアを選ぶ。 | 「オーナーが住んでいるので安心」「地元情報に詳しいオーナーが快適な暮らしをサポート」 |
| 利便性と静穏性のバランス | 駅チカ過ぎる物件は騒音リスクがあるため、主要駅から徒歩10分〜15分圏内の、一歩入った静かな住宅街などを狙う。 | 賃貸需要(利便性)を確保しつつ、オーナーも快適に過ごせる居住環境。 |
| 学校・病院・公園の近さ | 自分が子育て中であれば、通学や通院がしやすい場所を選ぶ。 | 子育て世帯をターゲットにした入居者募集が可能になる。 |
| 具体的な選び方 | ターゲット層の明確化:自分が住むことで、そのエリアの住みやすさ(治安、買い物、子育て環境など)を深く理解できるエリアを選ぶ。 | 利便性と静穏性のバランス:駅チカ過ぎる物件は騒音リスクがあるため、主要駅から徒歩10分〜15分圏内の、一歩入った静かな住宅街などを狙う。 | 学校・病院・公園の近さ:自分が子育て中であれば、通学や通院がしやすい場所を選ぶ。 |
|---|---|---|---|
| 入居者へのアピールポイント | ターゲット層の明確化:「オーナーが住んでいるので安心」「地元情報に詳しいオーナーが快適な暮らしをサポート」 | 利便性と静穏性のバランス:賃貸需要(利便性)を確保しつつ、オーナーも快適に過ごせる居住環境。 | 学校・病院・公園の近さ:子育て世帯をターゲットにした入居者募集が可能になる。 |
オーナー住戸と賃貸住戸が混在することで、お互いの生活が干渉し合わないよう、設計段階で「動線分離」を徹底することが重要です。
オーナーも入居者も長く快適に住み続けるために、目に見えない機能性の高さを重視しましょう。
上記のようなポイントを元に、自身も他の居住者も住みやすい物件を探してみると良いでしょう。
自分でも住みやすい一棟マンション投資
を選ぶには
マンション一棟買いで自分も住むという選択肢は、賃貸収入を得ながら自分の住まいも確保できる点で、大きな魅力があります。しかし、成功させるためには、ローン契約の内容を十分に理解し、物件の選定や管理において慎重な計画が必要です。経済的なメリットだけでなく、入居者との関係や日常の管理の負担も考慮し、自分にとって最適な形で運用することが重要です。
投資と住居として物件を考える際には、利回りだけでなく、「他の物件との差別化」に注目してみてください。その一つとして、「防音力」を紹介します。
こちらのページでは、入居者が絶えない防音マンション投資について説明しています。ぜひチェックしてみてください。