Columnマンション経営コラム

一棟マンション投資とは?メリット・リスクと向いている人いない人

2021.09.26

一棟マンション投資とは?メリット・リスクと向いている人いない人

一棟マンション投資とは、マンションを丸ごと1棟購入して、毎月の家賃収入や、物件の売却によって利益を得る投資方法のことです。これに対して、1棟のマンションの中の一部の部屋だけを購入する方法は、区分所有と呼ばれます。

 一棟マンション投資は、大きな利益を得ることができるという嬉しいメリットがありますが、その分リスクも大きいのが特徴です。
そこでこの記事では、失敗しない一棟マンション投資を行って頂けるよう、基礎知識として、まずは以下についてお伝えしていきます。

・一棟マンション投資の概要
・区分所有マンション投資との違い
・一棟アパート投資との違い

さらに、正しくその魅力とリスクについて認識した上で、自分が始めるべきかどうか判断していただけるようにするため、以下も詳しく解説します。

・一棟マンション投資のメリット・リスク
・一棟マンション投資に向いている人・いない人

そして、一棟マンション投資を成功させるために、知っておきたいポイントや、物件選びの方法、物件の探し方についてもお伝えしていきます。

最後までお読みいただくと、一棟マンション投資のメリットとリスクがわかり、自分がやるべきかどうか、納得感を持って決断していただけますよ。さらに、成功するためにはどのような行動をとればいいのか、についても学ぶことができるので、すぐに成功への一歩を踏み出すことができます。 

一棟マンション投資の魅力とリスクを詳しく知った上で、自分にとって良い投資方法なのかどうか、判断していきましょう。

1.一棟マンション投資とは

冒頭でもお伝えした通り、一棟マンション投資とは、マンションを丸ごと1棟購入して運用する投資方法のことをいいます。月々の家賃収入で得られる利益は大きくなりますが、その分、初期費用や運用コストも高額なので、リスクもあります。まずは、一棟マンション投資の概要から学んでいきましょう。

1-1.一棟マンション投資で得られる収益は2種類

一棟マンション投資では、毎月得られる「家賃収入」と、最終的に物件を売却したときに得られる「売却益」の2種類の収益ポイントがあります。

①毎月得られる家賃収入

マンションの部屋を賃貸に出すことで得られる収入です。
一棟マンションの場合は、所有している部屋の数が多いため、毎月得られる家賃収入は多くなりますが、その分、ローン返済額や、管理会社への管理委託費や、固定資産税などの支出額も高額になります。

家賃収入の総額からそれらの支出をマイナスし、残った金額が純粋な利益となります。

②マンションを売却したときに得られる売却益

毎月の家賃収入以外にも、物件そのものを売却した際にも、収益を手にすることができます。
一棟マンションの場合は、物件の売却金額自体が大きいので、かなり高額な取引になります。もし、購入時よりも物件の価値が上がっていれば、その差分が利益となります。

1-2.一棟マンション投資と区分所有マンション投資の違い

区分所有マンション投資とは、マンションの中の一部の部屋を購入して第三者に貸すことで、収益を得る投資方法のことです。ワンルームマンションを対象とすることが多いため、ワンルームマンション投資とも呼ばれます。
一棟マンション投資と区分所有マンション投資には、以下のような違いがあります。

一棟マンション投資 区分所有マンション投資
物件価格が高額(1億円~) 物件価格が安い(数千万円)
気軽に売却できない 売却しやすい
得られる家賃収入が多い(数十~数百万円) 家賃収入の額が少額(数万~十数万円)
空室リスクが小さい 空室リスクが大きい
投資効率が良い 投資効率が悪い

一棟マンション投資の場合、物件価格が高額になる分、気軽に売却できないというデメリットがあります。一方で、区分所有マンション投資の場合は、物件価格が安い分、1棟マンション投資と比べると、家賃収入は少ししか得られません。

また、一部屋しか所有していない場合は、その部屋が空室になると、その月から家賃収入がゼロ円になってしまうため、空室リスクも大きいのが特徴です。そのリスクを減らすために、離れた地域のマンションの部屋を複数所有するという方法もありますが、そうすると管理の手間が増えるため、投資効率が悪くなってしまうというデメリットもあります。

「一棟マンション投資を行うほどの自己資金はないが、不動産投資で収入を得たい」という人の場合は、区分所有マンション投資を選ぶと良いでしょう。

1-3.一棟マンション投資と一棟アパート投資の違い

一棟マンション投資を検討したことがあるという人の場合、よく似た不動産投資方法として、「一棟アパート投資」という方法も聞いたことがあるのではないでしょうか。
一棟アパート投資とは、アパートを一棟丸ごと購入して、各部屋を第三者へ貸し出すことで収益を得る投資方法のことです。扱う建物がマンションとアパートで異なるというだけで、大まかな仕組みは一棟マンション投資と同じです。

マンションとアパートは、一般的には、以下のように区別されています。

・マンション:鉄筋コンクリート造で階数に制限がない規模の大きい住宅
・アパート :木造もしくは軽量鉄骨造で、階数は2~3階建て程度の住宅

それぞれ、投資目的で取り扱うときの違いを、以下のように表にまとめました。

一棟マンション投資 一棟アパート投資
物件価格が高額(1億円~) 物件価格が比較的安い(数千万~1億円程度)
得られる家賃収入が多い 家賃収入の額が少額
空室リスクが小さい 空室リスクが大きい
耐用年数が長い(新築後47年) 耐用年数が短い(新築後22年)
耐久性が高い 耐久性が低い
利回りが若干低い 利回りが若干高い
維持費が高い 維持費が低い

上記のとおり、一棟アパート投資は、物件価格が安く、部屋数などの規模も小さい分、家賃収入もマンションと比較すると少額になりますが、その分維持費も低いため、全体的に金銭的なリスクが小さくなります。

ただし、アパートの場合は木造であるため、鉄筋コンクリート造のマンションと比較すると、耐用年数(法律上、その物件を使用することができる期間)が短くなり、耐久性も低くなってしまいます。耐用年数を超えても賃貸に出すことはできますが、借り手側が抱くイメージは良くないため、築年数が経過すると、空室リスクが高くなることが予想されます。

そのため、一棟マンションを購入できるほどの資金調達はできないが、不動産投資で効率よく収入を得たい、という人の場合は、一棟アパート投資から始めるというのも1つの方法です。

2.一棟マンション投資のメリット6選

一棟マンション投資の概要について解説してきました。次に、実際に一棟マンション投資を始めたらどんなメリットがあるのかを知っていただくために、一棟マンション投資の魅力を6つに分けて詳しく紹介していきます。

一棟マンション投資のメリットは、以下の通りです。

詳しくは下記の通りです。

2-1.区分所有より利回りが高い

一棟マンションを丸ごと購入して投資する場合は、区分所有する場合よりも利回りが高いというメリットがあります。

実際には物件ごとに異なりますが、目安を知るために、不動産投資情報サイト「健美家 」の「不動産投資 四半期レポート < 2020年10月~12月期 >」を見てみましょう。
その結果によると、以下のように、一棟マンション投資のほうが、利回りが0.48%高くなっています。

・一棟マンションの利回り :8.19% (物件価格 1億5,702万円)
・区分マンションの利回り :7.71% (物件価格 1,497万円)

上記の物件金額で計算をしてみると、一棟マンションの場合の利益は、年間1,286万円となり、区分マンションの場合は106万円となります。

ただし、これはサイトに登録された売却前の数値の平均であるため、実際に運用されている利回りとは異なります。あくまでも参考値として捉えるようにしてみてください。

いずれにしても、一棟マンション投資は、区分所有の場合よりも利回りが高く、金銭的なメリットが大きいということがお分かりいただけたのではないかと思います。

2-2.土地も所有して活用できる

一棟マンション投資における、2つ目のメリットは、建物だけでなく、土地も所有できるという点です。
土地は、それ自体に価値が認められているため、将来投資物件を増やしたいと考えた時に、土地を担保にすると金融機関からの融資を受けやすくなります。また、マンションの老朽化がかなり進んでしまったら、取り壊して別の建物を建てたり、駐車場などの他の用途で使用することもできます。

区分所有の場合も、そのマンションが建っている土地に対する権利を持つことができますが、他の部屋の所有者と共同で持つという形になるため、建物の取り壊しや他の用途での再利用などを、自分の一存で決めることはできません。

また、建物は経年により必ず価値が減るものですが、土地は、月日が経っても価値が下がりにくいという特性を持ちます。そういった点でも、区分所有よりも一棟マンションのほうが、土地まで所有できる分、有利だといえるでしょう。
このように、土地を所有できるという点は、一棟マンション投資ならではの大きなメリットになります。

2-3.複数の部屋を区分所有するより効率が良い

別々のマンションの複数の部屋を区分所有するよりも、一棟を丸ごと所有するほうが、管理コストが小さくなるという点も、一棟マンション投資のメリットです。

マンション投資を行う際は、以下のような管理が必要となります。

・最初にマンションを購入する際の手続き
・ローンの申し込みなどの手続き
・入居者募集を委託する不動産会社とのやり取り
・毎月の管理を委託する管理会社とのやり取り
・毎年の確定申告

区分所有の場合、所有数が5部屋あれば、上記の作業を5部屋分行わないといけません。しかし一棟マンション投資の場合、部屋数が10部屋だろうと20部屋だろうと、自分が行う作業は1回だけで済みます。
管理コストが抑えられるので、効率が良いという点は1つのメリットだといえるでしょう。

2-4.区分所有と異なり空室リスクが低い

4つ目のメリットは、空室リスクが低いという点です。例えば20部屋の一棟マンションを所有している場合、その内の2部屋が空室でも、他の18部屋から家賃収入を得られていれば、差し当たってのローン返済や経費精算は対応できるでしょう。

しかし区分所有の場合は、2部屋中1部屋が空室になるだけで、家賃収入が一気に半分になり、ローン返済のために自分の貯金を取り崩す羽目になってしまいます。

このように、空室が生じてもすぐにキャッシュフローに悪影響を生じないという点も、一棟マンション投資のメリットになります。

2-5.運営の自由度が高い

一棟のマンションを丸ごとすべて所有できるので、運営の自由度が高いというのも、一棟マンション投資のメリットです。
例えば、以下のような意思決定を、自分の戦略に基づいて自由に行うことができます。

・共有スペースをリフォームする
・宅配ボックスやテレビモニターフォンなどの設備投資を行う
・敷地内をバリアフリー化する

このような、世間のニーズに合った改善をフレキシブルに実行可能であるため、物件の魅力を高め続けることができて、結果的に入居者が集まりやすい、人気物件を作り上げることが可能になります。

しかし区分所有の場合は、自分の部屋の中であれば、リフォームやリノベーションを行うことはできますが、頑丈な防音リフォームなどは、管理組合の規定で実施できない場合もあります。また、外観やエントランスなどの改修に関しては、自分一人の意見で進めることはできません。

運営の自由度が高いため、資産価値向上のための改善を実行しやすいという点も、一棟マンション投資のメリットのうちの1つです。

2-6.所得税・住民税対策の効果が大きい

節税効果が大きいという点も、一棟マンション投資のメリットです。マンション投資では、収支を帳簿上赤字にすることで課税対象額を下げることができるので、所得税と住民税を節税することができます。

どういうことかというと、マンション投資では、確定申告の際に「不動産所得」が年間でマイナスになった場合、他の所得と合算して「損益通算」できるというルールがあります。

<不動産所得とは>
・年間の家賃収入から、年間の経費(減価償却費や修繕費、税金など)を引いて残った金額

<損益通算とは>
・不動産所得の損失(赤字)があるときに、他の所得の金額(黒字)と差引計算できること

そうすると、マンション投資で発生した赤字の分を、本業の所得から減らした額に対して課税されるため、その分、支払うべき所得税と住民税の額が小さくなります。

ポイントは、この節税効果は、実際に投資に失敗して赤字になった場合だけのメリットではないという点です。一棟マンション投資の場合、「高額な減価償却費」を活用できるので、帳簿上、赤字にしやすいという特徴があるのです。

<減価償却とは>
・マンション購入費用を、定められた耐用年数(新築の鉄筋コンクリートマンションの場合47年)で分割して、毎年の経費として扱うという会計手法のこと

この減価償却という概念を使うと、実際はその年に支払った出費ではないのにも関わらず、物件購入費用の一部(47分の1)を会計上の経費とすることが可能になります。そうすると、投資の結果が実際は黒字だとしても、帳簿上は赤字にすることができて、節税というメリットだけを得ることができるのです。

区分所有の場合でも同様の仕組みは適用されますが、物件価格が安い分、減価償却費として経費計上できる金額は少額になるので、帳簿上赤字にすることが難しいかもしれません。
その点、一棟マンションなら、最初の物件購入金額が大きい分、経費計上できる減価償却費も高額になるため、帳簿上の赤字を作りやすくなり、節税効果も得られやすくなるのです。

マンション投資における節税効果について、より詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください
マンション経営で節税できる3つのケースと節税効果を解説!【税額シュミレーション付き】

3.一棟マンション投資のリスク4選

一棟マンション投資には、リスクもあります。しかし、リスクがあるから無条件にやめようと考えるのではなく、事前に正しく理解しておくことで、対応策もとることができます。そこでこの章では、一棟マンション投資のリスクとして、以下の4点についてお伝えしていきます。

詳しくは以下の通りです。

3-1.災害時の損害額が大きい

一棟マンション投資を行う上で最も起きてほしくないものが、災害ではないでしょうか。特に日本は地震大国ですので、それに伴う津波や火事のリスクがあります。さらに、夏なら台風や大雨による被害なども考えられます。

そんな災害が生じた時、一棟マンション投資を行っている人の場合、一棟が丸ごと同様の被害を受けるため、区分所有の場合よりも損害額が大きくなってしまいます。

そのため、こういった災害リスクに対応するため、一棟マンション投資を行う場合は必ず、火災保険だけでなく、地震保険にも加入しておくことをおすすめします。

3-2.空室が増えた時の赤字額が大きい

2つ目のリスクは、死亡事故が発生する、近隣にゴミ収集場ができる、などのネガティブな出来事が生じて空室が次々と発生してしまうと、赤字金額が大きくなってしまうというものです。

もちろん区分所有の場合でも、空室が生じるのは困るのですが、そのマイナス幅は以下のように差があります。

<一棟マンションの場合の空室による赤字額>
・家賃10万円×10部屋=100万円/月

<区分所有マンションの場合の空室による赤字額>
・家賃10万円×1部屋 =10万円/月

本来は、この家賃収入から月々のローン返済を行うため、収入が減ると、その分自己資金でローン返済を行わなければなりません。

そんなとき、月10万円程度であれば、何とか貯金を切り崩したり、他の収入などでカバーすることができるかもしれませんが、100万円ともなると、なかなか自己資金から補填するのは難しいのではないでしょうか。

一棟マンションは、うまくいっているときであれば、得られる家賃収入が大きいというメリットがありますが、反対に、何らかの問題があり空室の比率が高くなってしまうと、その赤字額も大きくなるため、対応が困難になるリスクがあるのです。

3-3.金利が上がったときに収支を圧迫しやすい

3つ目のリスクは、金融機関へ返済する毎月のローンの金利が急騰すると、その額が大きくなるため、収支を圧迫しやすいという点です。

金利は、社会情勢の変化に応じて、いつでも上昇する可能性があります。もし金利が上がると、その分毎月のローン返済額も上がってしまうため、収支が悪化しやすくなります。特に一棟マンション投資では、組んでいるローンの額が大きいため、その分金利負担も大きくなります。

現在は超低金利の時代で、今後もしばらくは金利の低い状態が続くと考えられているため、すぐに心配することはありませんが、そういったリスクをはらんでいるということは理解しておくと良いでしょう。

3-4.修繕費用が高額になる

一棟マンション投資では、マンション全体の管理をしなければならないため、修繕費用も高額になります。区分所有の場合は、各部屋のオーナーが管理会社に対して毎月修繕積立金を支払い、管理会社がそれを積み立ててくれるので、総額についてあまり意識しませんが、一棟マンション投資の場合は、自分がその修繕費用の全額を用意しなければなりません。
修繕費の目安は以下の通りです。

<一棟マンション修繕費(30年間)の目安>
・鉄筋コンクリートのマンション(20戸)一棟の場合:30年間で約4,490万円

参考:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」

老朽化度合いや改修内容によって差がありますが、目安としてはこのくらいの金額が発生する可能性があります。家賃収入を得られたからといって無計画に浪費すると、こうした費用の工面に困ってしまうかもしれません。
一棟マンション投資の場合は、準備しておくべき修繕費用が高額であるという点を忘れないようにしておきましょう。

4.一棟マンション投資に向いている人

一棟マンション投資のメリットとリスクについて紹介しました。ここで、自分は一棟マンション投資をするべきなのかどうか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで、一棟マンション投資に向いている人の特徴をお伝えしていきます。

4-1.ゆとりある老後の収入源を形成しておきたい人

老後にゆとりのある暮らしをしたい、早めに引退したい、という人の場合は、一棟マンション投資で毎月の安定した収入源を作っておくことがおすすめです。

区分所有よりも、一棟マンションで投資を行うほうが、当然ですが、得られる収入にも大きな差が生じます。計算してみると、以下のように、実に月57万円もの差が生じます。

<一棟マンション投資で得られる毎月の収入>
・2億円の物件を利回り4%で運用する場合:月67万円

<区分所有マンション投資で得られる毎月の収入>
・3,000万円の物件を利回り4%で運用する場合:月10万円

将来、もし老人ホームに入居することになったら、月額費用として、毎月15~35万円程度かかることになります。年金もいくらもらえるかわからない今の時代では、月10万円という収入だけでは心もとないのではないでしょうか。安定的に70万円近くの収入があれば、夫婦2人分の老人ホームの費用は確保できそうですよね。

このように、老後の金銭的な不安を解消できる収入源を形成しておきたいという人には、一棟マンション投資が向いています。

4-2.自己資金や資産に余裕がある人

現在、多額の現金や土地などの資産を保有している人の場合も、一棟マンション投資はおすすめです。というのも、一棟マンション投資は、他の様々な投資方法と比較しても、「リスクが低く安定した利益を得ることができる」という大きなメリットがある、優れた投資方法だからです。

しかし、一棟マンション投資では、最初に以下のように高額な初期費用が必要になります。

<一棟マンション投資に必要な初期費用の目安>
・3億円の新築物件の場合:7,500~9,000万円

いくらメリットの大きな投資方法だといわれても、1億円近くものお金をポンと準備できる人は、あまり多くないでしょう。そのため、資金面の条件をクリアできないことで、一棟マンション投資をしたくてもできないという人が多いというわけです。

そのため、一棟マンション投資に関心があり、初期費用も工面できそうだという人は、迷わず始めてみることをおすすめします。

4-3.土地を所有している人

現在何も建物が建っていない土地を所有している、という人にも、一棟マンション投資はおすすめです。なぜかというと土地は、更地にしておくよりも、マンションを建設したほうが、固定資産税と都市計画税が安くなるというルールになっており、節税効果が生まれるためです。

固定資産税と都市計画税は、土地を所有しているだけで毎年かかる支出なので、できるだけ減らしたいものですよね。
そんな人の場合、マンション経営を始めると、毎月安定した家賃収入を得られるようになるというだけでなく、節税効果まで享受することができるのです。

4-4.現在支払っている所得税や住民税が高額なので節税したい人

「2-6.所得税・住民税対策の効果が大きい」でもお伝えした通り、一棟マンション投資は、所得税や住民税の節税にも有効なので、この点に関心がある人も、一棟マンション投資を始めるべきです。

特に、年収が高く、元々支払っている所得税や住民税が多い、という人の場合は、より、節税による恩恵を受けやすいでしょう。例えば、独身で年収2,000万円の会社員が、副業として一棟マンション投資を始める場合、以下のように年間で42万円を節税できるという計算になります。

・一棟マンション投資をしない場合:所得税 330万円+住民税 147万円 = 合計 477万円
・一棟マンション投資をする場合 :所得税 298万円+住民税 137万円 = 合計 435万円

477万円 - 435万円 = 節税額:42万円

年間42万円というと、10年間で420万円にもなります。大きな額の節約になるということを実感して頂けたのではないでしょうか。

マンション経営における節税効果について、もっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
マンション経営で節税できる3つのケースと節税効果を解説!【税額シュミレーション付き】

5.一棟マンション投資に向いていない人

どんな人が一棟マンション投資に向いているのか、をお伝えしてきました。一棟マンション投資は、運用していく中で、時間も労力もかかるため、どんな人にでも向いている方法ではありません。そこでこの章では、一棟マンション投資に向いていない人の特徴もお伝えしていきます。自分に合っている投資方法なのかどうかを判断するための、1つの材料にしていただければと思います。

5-1.計画的な資金管理ができない人

一棟マンション投資は、得られる家賃収入が多い分、その維持や運用には、多額の費用がかかります。そのため、一棟マンション投資をするオーナーは、得られた家賃収入の中から、将来の出費に備えて、常に自分でその費用を積み立てておかなければなりません。

例えば修繕費は、「3-4.修繕費用が高額になる」でもお伝えした通り、一棟マンションの場合、30年間で約4,490万円も必要になります。
そのため、収入があったらその分すぐに使ってしまう、というタイプの人には、戦略と計画性が求められる一棟マンション投資は、あまり向いていないといえるでしょう。

5-2.高額な初期費用を工面するのが難しい人

一棟マンション投資を始めたいと思ったら、まずは以下のような高額な初期費用を、自分で準備しなければなりません。

<一棟マンション投資に必要な初期費用の目安>
・3億円の新築物件の場合:7,500~9,000万円

そのため、こんな大金は準備することはできない、という人の場合、マンション投資を始めるのは、現実的には難しいでしょう。

資産価値の高い物件を格安で購入できる、という場合や、土地は所有していて、後はマンションを建てるだけ、という場合であれば、金融機関によっては、頭金が0円でも融資の審査に通る可能性もありますが、とても高いハードルであることは確かです。
高額な初期費用を工面できない場合は、一棟マンション投資を開始するのはまだ早いのかもしれません。

6.一棟マンション投資をするなら知っておきたい3つのこと

一棟マンション投資に向いている人と、向いていない人の特徴を詳しくお伝えしてきました。自分にはこの投資方法がぴったりだ!早速始めてみたい!と思った人もいると思います。
しかし、一棟マンション投資を成功に導くためには、事前に知っておくべき注意事項がいくつかあります。これらをしっかり理解することで、効率よく、有利に始められるようにしていきましょう。

6-1.利益の出やすい物件を選ぶ

一棟マンション投資では、物件選びがその成否を大きく左右します。例えば、いくら外観がおしゃれなデザイナーズマンションであったとしても、最寄駅から徒歩30分以上かかるような場所では、入居者が集まりにくく、空室率が高くなってしまいます。

そうすると、得られる家賃収入が減ってしまうので、投資として失敗を招きやすくなります。そこで、失敗を回避するため、立地が魅力的であったり、物件自体の価値が高いマンションを最初から選ぶことで、家賃収入を安定的に得やすい状況をつくることが大切です。
将来の売却時にも価値が下がりにくいので、売却益を得やすいというメリットもあります。

具体的な物件の選び方は、「7.一棟マンション投資をするなら物件選びが最重要」で解説します。

6-2.保険に加入する

一棟マンション投資では、地震や台風などの天災や、物件内での自殺や他殺などの死亡事故が生じると、建物の破損や、家賃収入が減ることで、想定外の損失を被ってしまうことがあります。
そんなリスクを下げるため、必ず事前に保険に加入しておきましょう。加入すべき保険には、以下のような種類があります。

<一棟マンション経営のリスクを抑えるために役立つ保険>
・火災保険:火災が生じた時に補償を受けられる保険
・地震保険:地震の際に補償を受けられる保険。単独では加入できず、火災保険と合わせて加入
・施設賠償責任保険:マンションの欠陥のせいでトラブルが発生した時のための保険
・死亡事故保険:自殺などが発生したときの清掃費用や、その後の家賃収入を補償する保険

保険に入っていると、何かあっても大丈夫、という安心感を得ることができます。無駄な経費だといって削減するのではなく、必要な保険にはしっかり加入しておくことで、想定外の出来事が生じた時にも慌てないようにしていきましょう。

6-3.管理会社に任せっきりにしない

物件の運用を、管理会社に任せっきりにしないというのも、大切なポイントです。一棟マンション投資の場合、そのマンションの管理会社がきちんと良い仕事をしてくれるかどうかは、あなたと管理会社の関係性にかかってくるからです。

日頃から何も口出しせずに、管理会社に任せっきりにしているような人がオーナーだったら、どうでしょうか。管理会社の担当者も人間ですので、マンション管理の手を抜いてしまうケースもあるかもしれません。

反対に、より入居者が住みやすいマンションにしたいんだ、という熱意をいつも伝えて、マンションの様子をいつも気にしているオーナーならどうでしょう。管理会社の担当者も、「このオーナーのために自分たちも頑張りたい」と感じるようになってくれるのではないでしょうか。

入居者がマンションを選ぶ上では、外観や設備が良いだけではなく、管理会社の対応が良いかどうか、という基準も、重要な検討材料の1つになります。
管理会社に丸投げするのではなく、管理会社があなたの物件の価値を高めてくれるよう、日々良好な関係を築いていくようにしてみましょう。

7.一棟マンション投資をするなら物件選びが最重要

一棟マンション投資を始めるうえで最も重要なのは、物件選びです。マンション投資を成功させるための正しい選び方を解説していきます。

7-1.良い立地のマンションを選ぶ

マンション選びの際は、以下の条件に当てはまる物件を探すと、運用開始後にも入居者が集まりやすく、成功しやすくなります。

<多くの人から住みたいと思われる>
・便利な商業施設があり買い物ができる場所が多い
・緑豊かな公園もあり、都会と自然がほどよく共存している
・交通機関が発達していてアクセスが良い
・治安が良い
・街並みがおしゃれ

<最寄駅から近く利便性が高い>
・最寄駅から徒歩15分未満である

具体的なエリアの例としては、吉祥寺、横浜、恵比寿、みなとみらい、鎌倉、自由が丘、中目黒などがおすすめです。

7-2.新築マンションを選ぶ

新築マンションには、以下のようなメリットがあります。

・家賃を下げなくても入居者が集まりやすい
・10~15年程度は大規模修繕が発生しない

新築の場合、外観や設備も綺麗で、築古物件よりも人気が高いため、購入後数年間は、家賃が下がりにくいというメリットがあります。

また、中古マンションの場合、老朽化が進んだ状態の物件を購入すると、またすぐに大規模修繕が必要になり、出費がかさんでしまう、というケースもあります。

そのため、マンション投資を行うなら、中古よりも新築を選んだほうが失敗を招きにくくなります。

7-3.付加価値のある物件を選ぶ

他の賃貸マンションとの競争に勝つためには、強力な差別化ポイント(付加価値)がないといけません。そのため、必ず何らかの優位性がある物件を選ぶようにしていきましょう。付加価値の例としてはこのようなものがあります。

・スーパーなどの商業施設と直結している
・マンション内にジムやサウナなどの人気設備が併設されている
・ペット可である
・周辺と比較してデザイン性が非常に高い、おしゃれなマンションである
・防音・遮音性が高い

上記のような、付加価値のある物件を選ぶと、その魅力で入居者が集まりやすくなるため、安定した家賃収入を得られやすくなります。

上記のポイントの中で最後に挙げた、「防音・遮音性が高い」という要素は、特に重要な強みになります。
国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、マンションにおけるトラブルの原因の1位は「居住者間のマナー」で、具体的内容の1位は、「生活音」でした。そのため、今後は物件探しにおいて「遮音性」が重要なポイントとなっていくことが予想されます。

防音性や遮音性などの付加価値の高い物件を選ぶことで、一棟マンション投資の成功を目指しましょう。

8.一棟マンション投資用物件の探し方

一棟マンション投資を成功させるための正しい物件の選び方については、お分かりいただけたと思います。そこで次は、具体的にどのように物件を探せばいいのか、解説していきます。

8-1.投資用マンション専門の会社に相談する

投資用の一棟マンションを探したいときは、投資用マンションを専門に取り扱っている会社に相談するのが一番おすすめです。同じ不動産というカテゴリでも、賃貸と売買、マンションと戸建て、中古と新築、など、それぞれ得意分野は異なるためです。

自分が投資をしたい種類の物件に詳しい会社に、予算や希望の利回りなどを伝えて相談してみましょう。

中でも、より失敗を招きにくい「新築」という条件でマンション投資を行いたいなら、サウンドプルーフがおすすめです。その理由は、以下の通りです。

<サウンドプルーフの一棟マンションなら成功しやすい理由>
・新築で空室リスクが低いため毎月の収入が安定する
・都心の駅近という競争力の高い場所に建てるため入居者が集まりやすい
・防音性の高さという点で差別化されたコンセプトマンションであるため人気が高い

実際にサウンドプルーフで取り扱っている、防音性・遮音性の高いマンションは、空室が発生しない満室経営に加えて、通常の賃貸物件では例を見ないウェイティング(入居待ち)が全物件で発生しています。

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8-2.ポータルサイトで探す

中古物件を中心に探したい場合は、たくさんの物件をWEB上で比較することができる、ポータルサイトを利用するのがおすすめです。投資用物件を探す際によく使用されている、代表的なサイトを2つご紹介します。

①楽待

・サイト名:楽待
・URL:https://www.rakumachi.jp/
・概要:国内最大の不動産投資サイト。中古の投資用物件を探したいなら、まずはチェックしておくべきサイトです。

検索手順は以下の通りです。

<検索手順>
(1)以下の赤枠の中で、探したい物件の条件を選び、紺色の「検索」アイコンをクリックする

(2)検索結果が表示される

築年数や建築構造、戸数など様々な条件で絞り込むことができますので、効率よく物件探しを行うことができます。

②健美家

・サイト名:健美家
・URL:https://www.kenbiya.com/
・概要:国内最大級の不動産投資と収益物件の情報サイト。楽待に次いで多くの物件掲載数を誇ります。

検索手順は以下の通りです。

<検索手順>
(1)以下の赤い矢印で示した枠の中で、探したい物件の条件を選び、「この条件の物件を表示」と記載されている黄色いアイコンをクリックする

(2)検索結果が表示される

「楽待」同様、細かい検索条件で絞り込むことができます。

中古の一棟マンションを検討したいのであれば、掲載物件数が多い、上記の2サイトを活用して探すのがおすすめです。

9.まとめ

一棟マンション投資について詳しく解説してきました。

まずは、最低限知っておいていただきたい基礎知識として、以下をお伝えしました。

・一棟マンション投資の概要
・区分所有との違い
・一棟アパート投資との違い

さらに、正しくその魅力とリスクを認識していただけるよう、メリットとリスク、向いている人・いない人についても、以下のように紹介しました。

<一棟マンション投資のメリット6選>
・区分所有より利回りが高い
・土地も所有して活用できる
・複数の部屋を区分所有するより効率が良い
・区分所有と異なり空室リスクが低い
・運営の自由度が高い
・所得税・住民税対策の効果が大きい

<一棟マンション投資のリスク4選>
・災害時の損害額が大きい
・空室が増えた時の赤字額が大きい
・金利が上がったときに収支を圧迫しやすい
・修繕費用が高額になる

<一棟マンション投資に向いている人>
・ゆとりある老後の収入源を形成しておきたい人
・自己資金や資産に余裕がある人
・土地を所有している人
・現在支払っている所得税や住民税が高額なので節税したい人

<一棟マンション投資に向いていない人>
・計画的な資金管理ができない人
・高額な初期費用を工面するのが難しい人

さらに、一棟マンション投資を始める場合の注意点として、以下についてもお伝えしました。

<一棟マンション投資をするなら知っておきたい3つのこと>
・利益の出やすい物件を選ぶ
・保険に加入する
・管理会社に任せっきりにしない

最後に、一棟マンション投資をする場合の物件選びのポイントと、具体的な探し方として、以下を紹介しました。

<一棟マンション投資をする場合の物件選びのポイント>
・良い立地のマンションを選ぶ
・新築マンションを選ぶ
・付加価値のある物件を選ぶ

<一棟マンション投資用物件の探し方>
・投資用マンション専門の会社に相談する
・ポータルサイトで探す

最後までお読みいただいたことで、一棟マンション投資の基礎知識を理解することができ、自分に向いているのかどうかの決断に役立てていただけたのではないでしょうか。

一棟マンション投資は、大きな利益を得ることができるというメリットがありますが、その分、物件選びを間違えるとリスクも大きくなってしまいます。「立地が良い・新築・付加価値がある」という3つのポイントを抑えた物件を選ぶことで、これから始める一棟マンション投資を、成功に導いていきましょう。

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