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マンション投資のメリットとリスクとは?失敗の回避方法とおすすめする人・しない人

2021.09.26

マンション投資のメリットとリスクとは?失敗の回避方法とおすすめする人・しない人

マンション投資とは、マンションを購入し、その家賃収入と売却によって収益を得る投資方法のことです。株やFXなどの他の投資方法よりも、比較的リスクが低く、安定収入が見込めるため、堅実な方法だといえます。
この記事では、マンション投資について詳しく知りたい人のために、以下の基礎知識について解説していきます。

・マンション投資の種類
・マンション投資の利回り
・マンション投資と他の投資の比較

また、マンション投資を検討している多くの人が持つ疑問である、以下の不安についても回答しています。

・リスクを考えると定期預金や債券のほうが安心なのでは?
・老朽化したら儲かりにくいのでは?
・儲からずに自己破産してしまうケースも多いのでは?

さらに、マンション投資を始めるべきかどうかを意思決定するために、知っておいていただきたい情報として、以下について、詳しく解説します。

・マンション投資のメリット・リスク
・マンション投資をおすすめする人・しない人

上記を知っていただくことで、マンション投資にどんなメリットがあり、自分に向いているのかどうか、を判断することができます。
最後に、実際にマンション投資を始めてみたい、と思った人に向けて、以下についてもお伝えします。

・マンション投資の失敗を防ぐ方法

資産運用には色々な方法がありますが、運用に回せる資金には限りがあると思います。そのため、本当に自分にとって良い投資方法を選びたいですよね。

この記事では、他の投資方法との違いや、マンション投資のメリットやリスク、向いている人と向いていない人、失敗を防ぐ方法まで詳しく解説しているので、最後までお読みいただくと、自分がマンション投資をすべきかどうか、迷わずに決断できるようになりますよ。
あなたに合った投資方法を見つける一助になれば幸いです。

1.マンション投資とは

冒頭でもお伝えした通り、マンション投資とは、マンションを購入し、その家賃収入と売却益で収益を得る投資方法のことです。
どのような投資方法なのか基本的な知識を得たい、という人のために、収益を得る仕組みや、利回り、他の投資との違いなどについて解説していきます。

1-1.家賃収入と売却益で収益を得る投資方法

マンション投資は、以下の2つのタイミングで収益を得る仕組みになっています。

①毎月の家賃収入

マンション投資の主な収益源のうちの1つが、毎月の家賃収入です。
気を付けたいポイントとしては、空室の場合はその間家賃が入ってこないという点と、マンション購入の際に組むローンの返済や、維持のための費用が発生するため、家賃の金額がそのまま利益になるわけでないという点です。

・毎月得られる収益:(毎月の賃料×入居中の部屋数)ー(ローン返済金額+物件の維持費)

そのため、いかに空室を減らして毎月の利益を増やすか、という点が重要になります。

②物件の売却益

マンション投資の2つめのキャッシュポイントは、最終的に物件を売却する時です。当初の購入金額よりも高値の売却を目指し、差益を得ます。

・最後に得られる利益:(最初の物件購入金額)ー(最終的な物件売却金額)

株や債券も同様ですが、保有中に、その価値が大幅に下落した場合には、損をしてしまうこともあります。特にマンションの場合は、築年の経過によって建物自体の価値は必ず下落していくものなので、他の要因で価値が上がらないと、購入時よりも高値で売るというのはハードルが高いかもしれません。

ただし「売却益はマイナスになってしまった」というときでも、毎月の家賃収入で得られた収益も含めて計算した結果、トータルで黒字だったのであれば、そのマンション投資は成功だったといえます。

このように、家賃収入と売却益の2つの収益の合計で、最終的に黒字を目指すという方法が、マンション投資です。

1-2.マンション投資の種類は4種類ある

マンション投資は、物件の規模や種類によって、以下の4種類に分類されます。

それぞれの違いは以下の通りです。

①区分所有マンション投資と一棟マンション投資の比較

区分所有マンション投資とは、マンションの中の一部(ワンルームマンション1部屋など)だけを所有する方法で、「ワンルームマンション投資」と呼ばれることもあります。メリットとデメリットは以下の通りです。

<区分所有マンション投資のメリット>
・物件購入価格が安く、ローン金額も小さい
・売却したいときに買い手がつきやすい
<区分所有マンション投資のデメリット>
・一部屋しか所有しない場合、その部屋が空室になると収入が完全にゼロになる

高額な投資が難しい、自己資金が少ない、などの状況の人に向いている投資方法です。しかし、部屋を一室しか所有しない場合、その部屋の住人が退去してしまうと、空室の間はずっと収入が0円になるため、空室によるダメージを受けやすいという特徴があります。

一方、一棟マンション投資とは、マンションを一棟丸ごと所有する方法のことです。メリットとデメリットは以下の通りです。

<一棟マンション投資のメリット>
・得られる収入の金額が大きい
・複数の部屋を所有するため、空室リスクが低い
・管理にかかるコストをまとめられるため、投資効率が良い
<一棟マンション投資のデメリット>
・物件購入価格が高額で、借り入れ金額も大きくなる
・地理的なリスクが発生したときに全戸がそのダメージを受けてしまう

ある程度、自己資金や組めるローンの金額に余裕があり、レバレッジを効かせて効率の良い投資を行いたい人に向いている方法です。
区分所有の場合と比較すると、一棟丸ごとまとめて管理すればいいので、管理コストが抑えられて効率がよくなるというメリットがあります。

さらに空室リスクが低いというメリットもあります。例えば一棟に20部屋ある場合、その中の2部屋が空室になっても、他の18部屋からの家賃収入は得られるため、受けるダメージを分散させることができます。
一方で、所有マンションが建っているエリアに災害が生じると、一棟丸ごとその被害を受けてしまいます。
そのため、そういったリスクを分散させたい場合は、東京と福岡と大阪など、離れたエリアのマンションの部屋を、複数区分所有するという、分散投資方法もあります。しかし、災害リスクは、この方法でも完全にゼロにできるものではないので、他の方法で備えておくのがおすすめです。詳しくは「7.マンション投資の失敗を防ぐ方法」で解説します。

②中古マンション投資と新築マンション投資の比較

中古マンション投資とは、その名の通り、中古のマンションを購入して、そのマンションを第三者に貸し出すことで家賃収入を得る方法です。メリットとデメリットは以下の通りです。

<中古マンション投資のメリット>
・物件購入価格が新築よりも安い
<中古マンション投資のデメリット>
・外観や設備が劣化している場合、リフォームや修繕に費用がかかる
・耐用年数が短いため、売却時に買い手が付きにくくなる可能性がある

新築マンションよりも安い価格で購入できますが、その分劣化も進んでいるので、賃貸に出すためにリフォームをしなければならないというケースもあります。

また、築年数が経っている分、耐用年数(法律上、その物件を使用することができる期間)も新築より短くなるため、金融機関の融資ルールによっては、買主側のローンが下りにくくなる場合があります。
そうすると、売却したいと思っても、ローンを組めないということで買主から敬遠されやすく、計画通りに売却活動を進められない可能性が高くなるでしょう。

それに対して、新築マンション投資のメリットとデメリットは以下となります。

<新築マンション投資のメリット>
・外観や設備が綺麗であるため、空室リスクが小さい
・外観や設備が綺麗であるため、家賃が下がりにくい
・外観や設備が綺麗であるため、初期は大規模修繕が不要
・耐震性が高い
<新築マンション投資のデメリット>
・物件購入価格が中古よりは高額

新築マンションは、外観や設備が綺麗で最新なので、マンション投資を開始した後、数年は、空室リスクが小さく、家賃も下がりにくいという安心感があります。また、大規模修繕もしばらくは必要ないため、突然高額な出費が必要になるという事態も避けられます。

また、中古の場合は耐震性が低い場合もありますが、平成19年(2000年)6月20日の改正建築基準法施行よりも後に建築された新築マンションなら、より耐震性が高いので安心です。実際に熊本地震でも、最新基準の建築物件は、そうではない建物と比較して、被害が圧倒的に少なかったというデータも出ています。

1-3.マンション投資の利回りは4~6%が目安

次に気になるのは、実際マンション投資はどのくらい儲かるのか?ということではないでしょうか。
結論から言うと、マンション投資の利回り(投資金額に対して得られる利益の割合)は、4~6%が目安です。

東京都内の場合は地方よりも低く、以下のように、4.2~4.4%程度になります。

<東京都内のマンション一棟の期待利回りの目安>
・城南地区(目黒区、世田谷区) : 4.2%
・城東地区(墨田区、江東区)  : 4.4%

※上記物件の条件
・住宅の種類:ワンルーム
・アクセス:最寄り駅から徒歩 10 分以内
・築年数:5 年未満
・平均専用面積:25~30 ㎡
・総戸数:50 戸程度

参考:一般財団法人 日本不動産研究所「不動産投資家調査」(2020年10月)

東京以外の地域では、物件価格が安い分、もう少し利回りも良くなり、一番高いエリアでは、5.7%という数値になっています。

<東京以外のマンション一棟の期待利回りの目安>
・札幌  : 5.5%
・仙台  : 5.5%
・千葉  : 5.2%
・名古屋 : 5.0%
・広島  : 5.7%
・福岡  : 5.0%

※物件の条件は上記東京都内のマンションと同等とする

参考:一般財団法人 日本不動産研究所「不動産投資家調査」(2020年10月)

ただし上記の調査は、「駅から徒歩10分の築浅物件」という、比較的価格が高めの物件を想定したものです。最寄り駅から遠い築古の物件などの場合は、物件価格が安いため、利回りは20%を超えることもあります。

ここで気をつけたいのが、マンション投資の場合は、利回りの数値のみで、良いかどうかを判断するのはナンセンスだということです。格安で利回りが高く見える物件は、何かの問題を抱えていて、物件価格を安くしてでも売り払いたいと思われているケースが多いので、利回りの高さだけに捉われず、安定して入居者が入りやすい、魅力的な物件を選ぶことが最も重要です。
成功しやすい物件の選び方は、8.マンション投資をするなら「新築・一棟」がおすすめ」で解説しています。

1-4.他の投資との比較

マンション投資の儲かる仕組みや、利回りについてはお分かりいただけたと思いますが、そうすると次は、他の投資と比べて得する投資方法なのだろうか?という点も気になるのではないでしょうか。投資に回せる資産には限りがあるため、本当に自分にとって良い方法を選びたいですよね。

そんな人のために、マンション投資と他の投資の違いを解説していきます。それぞれの投資法の特徴は以下です。

種類 特徴
マンション投資 ・マンションの部屋を貸すことで毎月の家賃収入を得たり、最終的に物件を売却することで利益を得る方法
・空室状況によって月々の収入は左右されるが、物件の価値が暴落することは少ないため、ローリスクといわれる
①株式投資 ・株式を購入し、配当金や売却益を得る方法
・倒産などで株の価値がゼロになることもあり、ハイリスクといわれる
②投資信託 ・証券会社など投資のプロに資産を預けて運用してもらう方法
・投資の知識がなくても運用できるが、元本保証はされず、運用者への報酬や手数料もかかる
③債券 ・国や会社が発行する有価債券を購入し、利子を得る方法
・満期まで待てば購入金額は払い戻されるため、株式や投資信託などよりも安全性が高いローリスクな投資方法
④FX ・通貨同士の売買で為替差益を狙い利益を得る方法
・レバレッジをかけることで、手持ち資金の25倍まで取引可能だが、その分、多額の損失を負うリスクもある
⑤仮想通貨 ・電子通貨の売買による差益を得る方法
・FXに近い仕組みで、短期間で多額の利益を得ることもあるがその逆もある

それぞれの平均的な利回りや、メリット・デメリット、マンション投資との違いについては、以下で説明していきます。

①株式投資

株式投資とは、株式を購入し、配当金や売却益を得る方法のことで、平均的な利回り4~7%くらいといわれています。メリットとデメリットは以下の通りです。

<株式投資のメリット>
・自己資金が少なくても始められる
・短期間で多額の利益を得られる場合もある
・購入と売却の手間が少ない
・保有における手間がかからない
<株式投資のデメリット>
・元本割れするリスクが高い
・倒産などで株の価値がゼロになることもある
・金融機関の融資を受けられない
・市場動向に常に目を配っていないといけない

マンション投資よりも、少額の資金から始められる手軽さがメリットですが、経済状況の変化の影響を受けやすく、元本割れや価値暴落を招きやすいというリスクの高さがデメリットです。

②投資信託

投資信託とは、証券会社など投資のプロに資産を預けて運用してもらう方法のことです。利回りは、運用を委託するファンドや投資先によって大きく異なり、マイナスの場合もあれば10%を超える場合もあります。メリットとデメリットは以下の通りです。

<投資信託のメリット>
・自己資金が少なくても始められる
・投資の知識がなくてもプロに運用してもらえる
<投資信託のデメリット>
・元本保証はされないため、損をすることもある
・運用してもらうための報酬や手数料がかかる
・金融機関の融資を受けられない

こちらも、マンション投資と比較すると、少額から始められます。さらに、自分で株式を運用するよりも、プロにお任せできるので、市場動向をこまめにチェックしたり、売買のためにパソコンの前に張り付いていたりする必要がありません。ただし、元本保証はされていないので、投資金額を回収できない場合もあります。

③債券

債券とは、国や会社が発行する有価債券を購入し、利子を得る方法のことです。元本保証されている分、利回りは低く、-0.4~+1.4%程度が目安となります。
参考:野村證券 債券インデックスハンドブック(2019年版)

メリットとデメリットは下記の通りです。

<債券のメリット>
・国債は満期まで待てば購入金額が払い戻される
<債券のデメリット>
・利率が低く、大きな利益は見込めない
・社債の場合は企業が破綻すると返ってこない場合もある

マンション投資などの他の投資方法と違って、元本保証があるという点が大きなメリットですが、利率が非常に低いため、効率よく資産を増やしたい人には向いていない方法だといえるでしょう。

④FX

FXとは、Foreign Exchange(外国為替取引)の略称で、通貨同士の売買で為替差益を狙い利益を得る方法のことです。素人の場合は8~9割が損をするともいわれており、平均的な利回りは示しにくいですが、プロであれば数十%の利益をあげることもあります。
メリットとデメリットは下記の通りです。

<FXのメリット>
・レバレッジをかけることで、手持ち資金の25倍まで取引ができるため、少ない元手でも多額の利益を狙うことができる
<FXのデメリット>
・経済指標や要人の発言、金融緩和等の影響を大きく受けて価値が変動するため、24時間情報収集をするくらいの姿勢が必要
・急激に価値が下落することもあり、大きな損失を招くリスクが高い

マンション投資と比較すると、非常にハイリスクなのがFXです。手持ちが4万円しかなくても、レバレッジを最大まで効かせれば、100万円分の為替を売買することができます。その分、大きな利益を掴める可能性もあれば、多額の損失を生むリスクもあります。

素人の場合は利益を生み続けるのは難しいともいわれているため、安定した投資を行いたい人にはおすすめしない方法です。

⑤仮想通貨

仮想通貨(暗号資産)とは、ビットコインなどの電子通貨を売買することで、その差益を得る方法のことです。比較的新しい投資方法であるため平均的な利回りは示しにくく、再現性をもって利益を生み続けるのは、まだ難しい段階かもしれません。
メリットとデメリットは下記の通りです。

<仮想通貨のメリット>
・少額の資産でも始めることができる
・多額の利益を得られる可能性もある
<仮想通貨のデメリット>
・価格変動が非常に大きく、多額の損失を招くリスクがある
・比較的新しい概念の投資であるため、国による価値の保証がなく、利用者保護のシステムも弱い

こちらも、マンション投資と比較すると非常にリスクが高い投資方法です。インドなど、暗号資産の使用を国内で禁止する方針の国もあり、まだまだ発展途上の状況にあります。その分、大きな利益を得られる可能性もありますが、大きく損をするリスクも高いでしょう。
長期的に安定した資産運用を行いたい人には向いていない方法だといえます。

このように、マンション投資は他の投資と比較すると、「リスクが低く安定した利益を得ることができる」という特徴があるため、一攫千金を狙うような方法ではなく、老後に向けた堅実な資産形成など、「長期間、安定収入を得たい」という人に向いている方法です。

2.マンション投資は儲かる?儲からない?

マンション投資の基本や、利回りの高さ、他の投資方法との比較についてお伝えしてきました。結局のところ、マンション投資は他の投資と比べていい投資方法なの?という疑問をお持ちの人に向けて、この章では、マンション投資を選ぶべき理由について解説します。

2-1.リスクを考えると定期預金や債券のほうが安心なのでは?

リスクを考えると定期預金や債券のほうが安心なのではないか、と考える人もいると思います。確かにマンション投資では、元本保証はされていないため、定期預金や債券よりはリスクが高いといえます。しかし、資産を増やすという観点では、それらの方法はあまり効率の良い方法ではありません。以下のように、収益性に大きな差があるためです。

<運用資金1,000万円の場合の収入の比較>
・定期預金:金利が0.01%の場合   → 1万円
・日本国債:利率が0.05%の場合   → 5万円 
・マンション投資:利回り5%の場合  → 50万円

リスクが高いといっても、株券やFX、仮想通貨などと比較すると、ある日突然その価値が暴落することはないという点で、低リスクだと考えられます。
定期的に安定した収入が入ってくる方法として、マンション投資は有効な投資方法です。

2-2.老朽化したら儲かりにくくなるんじゃないの?

マンション投資は、何十年もの間、現物の建物を所有するという性質から、自分が老後を迎える頃には老朽化が進み、使い物にならなくなっているのではないか、という不安を持つ人もいるのではないでしょうか。

確かに、建物は経年により老朽化が進むものなので、ダメージをゼロにすることはできません。しかし、以下のような工夫をすることで、老朽化によるリスクは抑えることができます。

<マンションの老朽化リスクを抑える方法>
・鉄筋コンクリート造(RC)、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)などの頑丈なマンションを選ぶ
・定期的に修繕や設備交換などのメンテナンスを行う

しかし、鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年なので、これを超えたら賃貸住宅としての価値がなくなってしまうのではないか、と不安に思ってしまう人も多いと思います。
ただ、これは税法上の決まりでしかありません。実際の建物の寿命はもっと長く、鉄筋コンクリート造(RC)の建物なら100年以上もつと考えられているので、安心してください。

実際に、国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書に、以下のような記述があります。

・戦後すぐに建築された建物と比べて、最近の建築物は性能が向上しているため、リフォームを適切に行えば100年でも十分もつ
・米国や英国では、木造住宅でも実際に100年以上もっている
・30年ごとに繰り返し内装や設備を更新し、その際に躯体部分も補修していけば、永久に維持できると考えられ、耐用年数は無限大ととらえることもできる

参考:国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 P.11

このように、マンションは適切に修繕を行えば、老朽化のリスクを大幅に低減させることができるのです。

2-3.儲からずに自己破産してしまうケースも多いのでは?

マンション投資というと、赤字から借金を招き、自己破産につながるというネガティブなイメージを持つ人もいると思います。しかし、実際にマンション経営の失敗で自己破産につながるケースは、そんなに多くありません。

大手地方銀行である千葉銀行の発表によると、賃貸用不動産向けのローンの返済の延滞比率は、0.02%と非常に低い値になっています。

・賃貸用不動産向け貸出(全体)の延滞率:0.02%
参考:株式会社千葉銀行 2018年度中間決算説明会 資料 P.17

この全てが自己破産するわけではないので、多くとも0.02%以下になるということがわかります。意外に低い確率だなと思われたのではないでしょうか。

また、株やFXなどと比較すると、何か問題が生じた時に、自分の対処次第でリカバリできるのもマンション投資の特徴です。株の場合は、企業の倒産は自分では防げませんし、FXの場合は、為替の動きに関与するのはまず不可能です。
しかし、マンション投資の場合は、家賃が下落しないように物件の魅力を高める工夫をしたり、災害等に対応した保険に入っておいたりすることで、失敗のリスクを大幅に低減させることができます。

このように、マンション投資の失敗で自己破産につながるリスクは意外に低いので、事前にリスク管理をきちんと行えば、適切に儲けることができる投資方法だといえるでしょう。

3.マンション投資のメリット5つ

マンション投資は堅実に儲けることができる投資方法であることをお伝えしてきましたが、金銭的なベネフィット以外にも、取り組むべきメリットがあります。

3-1.他の投資と比較してローリスク

マンション投資は、他の投資と比較するとローリスクです。株やFXなどの他の投資方法の場合、景気などの影響で価値が暴落して、価値がゼロになってしまうこともありますが、マンション投資の場合はそのようなリスクは小さいです。

なぜかというとマンション投資の場合、「建物」や「土地」など、実在する”モノ”自体に価値があるため、多少の相場変動があったとしても、それによるダメージを受けにくいのです。

一方、株の場合は経済や景気の影響をダイレクトに受けてしまいます。例えば、2020年のコロナショックでは、日経平均株価は以下のように落ち込みました。

参考:日経平均プロフィル 日経平均・関連指数 日経平均株価

しかし、マンションの場合は、短期間で価値が暴落したというケースはあまりありません。市場動向を見ても、マンションの販売価格は、コロナ感染拡大が進んだ2月以降もほぼ横ばいで、大きな影響を受けていないように見受けられます。

参考:株式会社不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向2020年11月度」

このように、他の投資方法と比べて、経済や景気の影響を受けにくく、安定して運用できるという点が、マンション投資の大きなメリットです。

3-2.他の投資より少ない手間で長期間収益を得られる

2つ目のメリットは、株やFX等と比較して、手間がかからないという点です。
株やFXは、デイトレードなどをして利益をあげようとする場合、その売買の操作は、自分で行わなければなりません。そうすると、不労所得のように見えて、実は労働が必要な投資方法であるともいえます。

しかしマンション投資の場合は、基本的な戦略や収支チェックなどは自分で実施する必要があるものの、毎日何か作業をしないといけないということはありません。実務は管理会社に任せておくことができます。
仕組みさえ作ってしまえば、あとは何十年も同じ方法で家賃収入を得られるため、ローコストで安定した収益を得続けることが可能になります。

こういった点も、マンション投資のメリットです。

3-3.生命保険代わりもなる

マンション経営は、生命保険代わりになるというメリットもあります。

マンション購入時には、多くの場合は金融機関から融資を受けます。その際、「団体信用生命保険」に加入することが条件になる場合があります。これに加入していると、もしもローン返済期間の間に死亡しても、保険会社がローン残債を金融機関に支払ってくれます。すると、ローン残債はなくなり、遺された家族は、あなたが育てた収益物件をそのまま入手することができるという仕組みです。

自分に何かあったときに家族に資産を遺したい、という人にとっては、嬉しいポイントですね。ただしこの団信(団体信用生命保険)は、上限金額や年齢に制限がある場合もありますので、事前に金融機関に確認しておきましょう。

このように、マンション投資には、他の投資方法とは違って、生命保険の代わりになるという特徴もあります。自分に万一のことがあっても家族に資産を残したいと考える人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

3-4.節税効果も期待できる

マンション投資では、減価償却を活用した所得税の節税や、土地や建物は現金よりも評価額が低いという特性を利用して、相続税対策に活用することも可能です。

<節税になるケースと対象の税金>
1.マンション経営の収支がマイナスの場合【所得税と住民税】
2.所有中の更地に賃貸マンションを建てる場合【固定資産税・都市計画税】
3.資産を賃貸マンションにして相続する場合【相続税】

1は、マンション経営の他に所得のある人に向いている節税方法です。
マンション経営の収支のマイナスを、他の所得と合算することで、課税対象額が下がり、その分所得税と住民税を節税することができるという仕組みになっています。

2は、現在土地を所有している人に向いている節税方法です。
土地は、更地(駐車場も含む)のままにしておくよりも、賃貸マンションを建てたほうが、固定資産税や都市計画税が安くなるため、その分節税が可能になるという仕組みです。

3は、将来的に、土地や多額の現金を相続する可能性のある人に向いている、節税方法です。現金や土地は、そのまま相続するよりも、賃貸マンションに換えてから相続したほうが、相続税が下がるため、その分節税になるという仕組みです。

マンション経営における節税の方法やその効果をより詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください
マンション経営で節税できる3つのケースと節税効果を解説!【税額シュミレーション付き】

3-5.資産としての活用方法が幅広い

5つ目のメリットは、他の投資と比較して、活用方法がいくつかあるという点です。具体的な資産活用方法は、以下の表の通りです。

<株やFXの場合の資産活用方法>
・保有し続けることで、定期的に、配当金やスワップなどの収入を得る 
・購入時よりも良い条件で売却して、差益を得る

<マンション投資の場合の資産活用方法>
・賃貸を続けて、毎月の家賃収入を得る 
・物件を売却して、利益を得る
・自宅として活用する
・(土地ごと保有している場合)建物を壊して別の用途で利用する

マンションは、人が生活する上で必要不可欠な「衣食住」の中の1つです。
そのため、単に売却して利益を得るということだけでなく、自分や子供が自宅として活用することもできますし、土地だけを、駐車場や別の用途で利用する、という活用法も可能になるのです。

4.マンション投資のリスク4つ

マンション投資のメリットをお伝えしてきました。しかし、このメリットだけに飛びついてマンション投資を始めるのは危険です。マンション投資はローリスクといっても、一定のリスクはありますので、それらをしっかりと理解した上で、自分がマンション投資を始めるべきかどうか、決断するようにしていきましょう。失敗につながりやすい、リスクを解説していきます。

4-1.空室が多いと赤字になる

1つ目のリスクは、空室が多いと、家賃収入を想定通りに得られず、赤字になってしまう可能性があるということです。空室が増えるのには、以下のような理由が考えられます。

<マンション投資で空室が発生する理由>
・入居者同士の騒音トラブルで退去者が増える
・築古で外観や設備の劣化が激しく、入居希望者があらわれない
・物件内で死亡事故が発生し、入居を敬遠する人が増える
・駅から遠い、交通アクセスが悪いなどの理由で物件の人気がない

これらを防止するためには、以下のような対応をとるのがおすすめです。

<マンション投資で空室の発生リスクを減らす方法>
・騒音が伝わりにくい防音の物件を選ぶ
・最新設備を備えた新築の物件を選ぶ
・定期的に修繕・メンテナンスを行う
・死亡事故が生じても家賃補償してもらえる保険に加入しておく
・駅から近くて交通の便が良い人気のエリアの物件を選ぶ

最初の物件選びや保険選び、定期的なメンテナンスなどで、空室リスクは抑えるようにしていきましょう。

4-2.家賃が下がると収入が減り赤字になる

2つ目のリスクは、家賃が下がるとその分収入が減るため、赤字を招きやすいという点です。家賃が下がるのには、以下のようなケースが考えられます。

<マンション投資で家賃が下がる理由>
・経年による老朽化で物件の魅力が下がり、家賃を下げないと入居者があらわれなくなる
・死亡事故が生じるなどのトラブルで、家賃を下げないと入居者が見つからなくなる
・周辺の地価や家賃相場の変動

ただし、経年による劣化は、適切なメンテナンスを行っていけば、最小限に食い止めることができます。また、死亡事故はそう頻繁に発生するものではありませんし、発生した時のことが心配という場合は、先ほどもお伝えしましたが、専用の保険に加入しておけば、家賃補償を受けることができます。

また、周辺の家賃相場の変動については、よほどのことがなければ急激に下落するということはないでしょう。実際に、日本不動産研究所の「第25回全国賃料統計」によると、2020年9月末時点の共同住宅の賃料は、横ばいの地点が約9割で、全国平均は0.0%横ばいで、2~3年連続でほぼ横ばいの状態が続いています。このように、賃料相場が下落するリスクは非常に小さいので、過剰に心配することはないでしょう。

4-3.自然災害で物件価値が下がる可能性

マンション投資を始めるためには、高額なローンを組むことが多いので、災害などで物件が倒壊するなどして、価値が下がってしまうのが怖いと感じる人も多いと思います。特に日本では、地震や津波、台風などの災害が多いため、気になるポイントですよね。そこで、自然災害によるリスクを抑えるため、以下のような対策をとると良いでしょう。

・地震や地盤沈下のリスクが高い地域のマンションは購入しない
・多少の地震では損傷を受けない耐震性の高いマンションを選ぶ
・地震保険に加入しておく
・火災リスクを避けるため、木造住宅の密集地域や、道が狭く緊急車両が入れないような地域のマンションは選ばない

ただし実際には、建物が全壊するほどの大災害は、頻繁には生じません。特に、平成19年(2000年)6月20日の改正建築基準法施行よりも後に建築された新築マンションなら、より耐震性が高いので安心です。
実際に熊本地震でも、最新基準の建築物件は、そうではない建物と比較して、被害が圧倒的に少なかったというデータも出ています。 

最初に災害リスクの低い条件の物件を選ぶことで、建物が被害を受けるリスクを最小限に留めていきましょう。

4-4.金利変動の可能性

金利変動によるリスクとは、不動産投資のための融資を、「変動金利」の条件で契約した場合に発生するリスクのことです。変動金利で融資を受けると、市場の動向に応じて、マンション投資の運用中に金利が変更されます。
そのため、もしも金利が大幅に高くなると、その分毎月の返済金額も高額になるため、キャッシュフローの圧迫につながってしまいます。

このリスクを避けるためには、「固定金利」の条件でローンを組むという方法があります。しかし、多くの金融機関では変動金利に対応した融資しか行っていないことが多く、ほとんどの不動産投資家が「変動金利」の条件で契約しています。なぜかというと、固定金利よりも変動金利の条件のほうが、金利が低いため、借りる側にもメリットが大きいためです。

今後大幅な金利の上昇が起これば、損をする可能性もありますが、現在は、この先も金利の低い状況が続くと予想されているため、そこまで心配することはないでしょう。

5.マンション投資をおすすめする人

マンション投資のメリットとリスクを紹介してきました。何となく良さそうだけど、自分に向いているのかわからない…とお困りの人もいるのではないでしょうか。そこでこの章では、どんな人にマンション投資がおすすめなのか、特徴をまとめました。

5-1.手間をかけたくない人

毎日何時間も、投資のために時間を割くことができない、という人には、マンション投資はおすすめの方法です。
もちろん、管理会社とのやり取りや、収支の確認などはする必要があるので、手間がゼロというわけではありませんが、株やFXを毎日売り買いするよりは、必要な時間は圧倒的に少ないです。
効率よく資産運用したいという人には、マンション投資は向いている方法です。

5-2.リスクの小さい投資がしたい人

リスクをとった投資をしたくない人にも、マンション投資はおすすめです。株やFXなどと違って、マンションの場合は、建物や土地の価値がゼロになることはまずありません。そのため、家族がいるから資産が大幅に目減りするのは怖い…という人には最適な投資方法です。

また、リスクが少ない割には、4~6%の利回りは期待できるので、単に銀行預金に入れておいて年利0.01%の低金利で運用するよりは、はるかに有効活用することができます。
リスクの小さい投資をしたい人は、マンション投資を始めてみると良いでしょう。

5-3.生命保険に加入していない人

「3-3.生命保険代わりもなる」でもお伝えした通り、マンション投資は、融資条件によっては、生命保険代わりとして活用することができます。

公益財団法人 生命保険文化センターの、平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の保険料の平均は、1世帯あたり、毎月約3万2,000円ほどになっており、決して軽い負担だとはいえません。
しかしマンション投資なら、これだけの保険料を支払うのを節約しながら、自分に何かあったときの安心を得ることができるのです。
そのため、生命保険に加入しておらず、自分に万一何かあったときに家族に資産を遺したい人は、マンション投資を始めるのがおすすめです。

5-4.老後の資金不足が不安な人

年金をいくらもらえるかわからないため、老後の資金不足が不安という人にも、マンション投資はおすすめです。マンション投資は、毎日何かの作業をして、その労働の対価として金銭を得るというものではないため、労働市場から引退する老後の収入源としては最適です。

例えば、2億円のマンションを建てて運用する場合、利回りを4%と仮定すると、毎月の家賃収入は約67万円。ローン完済後にはこの金額がそのまま手取りになりますので、老後に金銭的に困ることは少なくなるのではないでしょうか。

このように、老後に金銭的な不安を抱きたくない人には、マンション投資による資産形成がおすすめです。

5-5.多額の現金を所有しており、相続税対策を考えている人

多額の現金を所有しており、相続税対策がしたいという人にも、マンション投資はおすすめです。
現金は、そのまま相続すると相続税が高額になるため、賃貸用の建物に変えることで、納税額を節約することができます。

相続税の計算の対象となる「課税対象額」は、以下のような違いがあります。

<同じ金額の資産を現金で相続する場合を100%としたときの課税対象額の目安>
・現金:100%
・土地:約80%
・貸家建付地(第三者に貸すための建物が建っている土地):約60%
・建物(自己利用):50~70%
・貸家(賃貸用マンションなど・満室の場合):40~50%

もし1億円の現金がある場合、そのまま相続するのではなく賃貸マンションにすることで、課税対象額は、40~50%にまで減らすことができるのです。

そのため、多額の現金を相続する予定のある人は、マンション投資を検討してみると良いでしょう。

5-6.高収入で節税対策したい人

現在収入が多く、所得税と住民税をたくさん支払っている、という人の場合は、マンション投資の収支を、帳簿上赤字にすることで課税対象額を下げることができるので、節税に役立てることができます。

どういうことかというと、マンション投資では、確定申告の際に以下の式で算出する「不動産所得」が年間でマイナスになった場合、他の所得と合算して「損益通算」を行うことができるというルールがあります。

<不動産所得の計算式>
・年間の家賃収入 ー 年間の経費(減価償却費や修繕費、税金など)

<損益通算とは>
・不動産所得の損失(赤字)があるときに、他の所得の金額(黒字)と差引計算できること

そうすると、本業の所得から、マンション投資で発生した赤字分を減らした金額に対して課税されるため、所得税と住民税の金額を減らすことができます。

そして、この時の赤字というのは、実際の収支が赤字だというわけではなく、「減価償却費」を活用することで、帳簿上でだけ、赤字にするというのがポイントです。

<減価償却とは>
・マンション購入費用を、定められた耐用年数(新築の鉄筋コンクリートマンションの場合47年)で分割して、毎年の経費として扱うという会計手法のこと

この減価償却という概念を使うと、実際は自分の財布から出ていった出費ではないのに、マンション購入費用の一部を会計上の経費として取り扱うことができます。
そうすると、マンション投資が実際は黒字だとしても、帳簿上、赤字にすることができるのです。

このように、マンション投資で発生させた帳簿上の赤字を本業の所得に対してマイナスすることで、節税対策をしたい、という人にも、この投資方法は向いています。

マンション投資の節税方法やその具体的な金額について、より詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください
マンション経営で節税できる3つのケースと節税効果を解説!【税額シュミレーション付き】

6.マンション投資をおすすめしない人

マンション投資をおすすめする人の特徴について解説してきました。次に、逆にこんな人はマンション投資に向いていない、というおすすめしない人の特徴をお伝えします。

向いていないのに無理に始めると、後で失敗を招きやすくなります。そのため、どんな人がマンション投資に向いていないのかを知ることで、自分が実施するべきなのかどうか、判断するようにしていきましょう。

6-1.情報収集の時間がとれない人

株やFXなどの、他の投資方法も同様ですが、マンション投資を行っていく上では、経済や社会の動向をチェックしておくことが大切です。日々しっかりと情報収集をして、業界や経済に関する勉強をして知識を増やしておくことが重要です。

例えば、マンション投資を行う人の場合は、以下のような情報収集をすることが必要です。

・自分のマンションの適正な家賃相場を知るために、ニュースやインターネットで調査する
・競合マンションに対して先手を打つため、周辺で工事が始まったらすぐに情報収集を行う
・地価の変動を察知するため、近隣の都市開発計画に関する情報にアンテナを張っておく

上記のような情報収集の時間がとれそうにない、という人の場合は、マンション投資を始めても、社会情勢や相場の変動についていくことができずに失敗してしまう可能性があるため、あまりおすすめできません。

6-2.細かい収支計算が苦手な人

マンション投資は、株やFXなどの他の投資に比べると、経費となる支出が多いのが特徴です。最初の物件購入時だけでなく、年間の収支計算などもこまめに行う必要があります。

もしそれらの計算をしないと、確定申告のための利益の計算を正確に行うことができずに困ってしまうことでしょう。
確定申告だけであれば、お金を払って税理士などに依頼することもできますが、物件の投資価値を判断するためには、必ず購入前に収支計算を細かく行う必要があります。
これをしておかないと、運用後に想定外の出費が発生した、などの原因で、思っていたような利益を得られなくなるというリスクも生じます。

そのため、細かい収支計算はしたくない、という人の場合は、あまりマンション投資は向いていないといえるでしょう。

7.マンション投資の失敗を防ぐ方法

マンション投資をおすすめする人と、おすすめしない人について解説してきました。そこで、自分には向いているかもしれないから実際に始めてみたい!と思った人のために、失敗せずにマンション投資を開始することができるよう、失敗しないための方法をお伝えします。マンション投資の失敗を防ぐためには、以下の3つの方法を知っておくことが大切です。

・災害リスクを回避する方法
・空室リスクの回避方法
・物件の老朽化による収益性低下を回避する方法

詳しくは以下で説明していきます。

7-1.災害リスクを回避する方法

失敗を防ぐために回避すべきリスクとして最も気になるのは、災害リスクではないでしょうか。「4-3.自然災害により物件価値が下がるリスク」でもお伝えしましたが、自然災害によるリスクを小さくするためには、以下の対策をとりましょう。

・地震や地盤沈下のリスクが高い地域のマンションは購入しない
・多少の地震では損傷を受けない耐震性の高いマンションを選ぶ
・地震保険に加入しておく
・火災リスクを避けるため、木造住宅の密集地域や、道が狭く緊急車両が入れないような地域のマンションは選ばない

地震や地盤沈下のリスクが高い地域は、以下のサイトで調べることができます。

<地震のリスクの高いエリアを調べられるサイト>
地震ハザードステーション

<地盤沈下によって液状化しそうなエリアを調べられるサイト>
東京都 建物における液状化対策ポータルサイト
大阪府 震度分布・液状化可能性

※東京、大阪以外のエリアは、「エリア名 液状化マップ」のキーワードでインターネット検索して、各自治体の防災サイトなどで確認してみてください

また、耐震性の高さを求める場合は、平成19年(2000年)6月20日の改正建築基準法施行以降に建築された新築物件を選ぶと安心です。

7-2.空室リスクの回避方法

次にお伝えするのは、空室リスクの回避方法です。「4-1.空室が多いと赤字になる」でも解説しましたが、空室率を下げるためには、以下のような方法をとるのがおすすめです。

<マンション投資で空室の発生リスクを減らす方法>
・騒音が伝わりにくい防音マンションを選ぶことで、入居者同士のトラブルを回避する
・最新設備を備えた新築マンションを選ぶことで、入居したいと思われるようにする
・定期的に修繕・メンテナンスを行うことで、外観や設備の劣化を最小限に食い止める
・駅から近くて交通の便が良いマンションを選ぶことで、人気を保つ

空室リスクを下げるためには、最初の物件選びが非常に重要であるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

その際、立地については、人気が高くて家賃は下がりにくい、都心のマンションを選ぶのが基本です。都心の街の中でも、特に以下のような要素があると、多くの人から住みたいと思ってもらえます。

・便利な商業施設があり買い物ができる場所が多い
・緑豊かな公園もあり、都会と自然がほどよく共存している
・交通機関が発達していてアクセスが良い
・治安が良い
・街並みがおしゃれ

具体的には、吉祥寺、横浜、恵比寿、みなとみらい、鎌倉、自由が丘、中目黒などのエリアは安定した人気を誇ります。

また、最寄駅から近いマンションを選ぶことも大切です。[SUUMO賃貸・一人暮らしのこだわり条件調査]によると、「現在住んでいる部屋は最寄駅から15分未満である」という回答が全体の85.2%を占める結果になっていました。

そのため、安定的に入居者が集まる人気のマンションを選びたいなら、最寄駅から近い物件(徒歩15分以内)という条件は外さないようにしましょう。

7-3.物件の老朽化による収益性低下を回避する方法

マンションという現物資産を運用する投資を行うなら、物件の老朽化リスクについても、事前に対策しておくことが重要です。
まずは、多少老朽化しても入居者が集まるような、付加価値のある物件を選ぶようにしましょう。例としては以下のような要素が当てはまります。

・東京23区内の駅近物件である
・住みたい街ランキングに常にランクインするような、入居希望者が常にいるエリアの物件である
・ペット可である
・防音性能が高い物件である
・耐震性が高い物件である

また、老朽化を防ぐためには、以下のような方法をとることが大切です。

・定期的に修繕を行う
・設備の見直しをこまめに行う
・リフォーム・リノベーションを行う

その他、老朽化の問題が発生するのを遅らせるために新築を購入したり、老朽化が進む前に早めに売却してしたりする、といった方法もあります。

このような対策をとることで、物件の老朽化による収益性の低下を防止していきましょう。

8.マンション投資をするなら「新築・一棟」がおすすめ

マンション投資の失敗を防ぐための方法をお伝えしてきました。ここまでお読みいただき、実際にマンション投資を始めてみたい!と思った人もいるのではないでしょうか。ただし、マンション投資にもいくつかの方法があり、選び方を間違えると、失敗を招いてしまう可能性もあります。

そこで最後に、最も失敗しにくいおすすめのマンション投資方法をお伝えしたいと思います。それは、「新築・一棟マンション」でマンション投資を行うことです。
なぜかというと、新築の一棟マンションを活用すると、以下のようなメリットがあるからです。

8-1.新築マンションを選ぶべき理由

新築マンションは、価格が中古よりも高いため、利回りは低くなります。しかし、中古の場合は入居者が想定通りに入らないリスクが高いため、実は新築のほうがマンション投資には向いているのです。その理由は以下の2点です。

①新築マンションは家賃を下げなくても入居者が集まりやすい

中古マンションをオーナーチェンジで購入した場合、現在入居中の人が退去してしまうと、次に募集をかけても、スムーズに入居者が見つかるとは限りません。そこで苦戦を強いられて、他の競合マンションに入居者をとられないよう、家賃を下げるというのはよくあるパターンです。
しかし新築であれば、築古物件よりも人気が高いため、購入後数年間は、家賃が下がりにくいというメリットがあります。

②10~15年程度は大規模修繕が発生せず収支が安定しやすい

売りに出されている、投資用の中古マンションは、大規模修繕にお金がかかる前に売却したいと考えるオーナーが多いため、未修繕の状態であるケースがあります。そのため、購入後に自分が大規模修繕のための費用を出さなければならないため、キャッシュフローを圧迫してしまうことも。
しかし新築マンションなら、運営開始後、数年の間は、高額な大規模修繕費は不要です。そのため、初期のキャッシュフローが安定しやすいです。

これらの理由から、マンション投資を行うなら、中古よりも新築を選んだほうが失敗を招きにくくなります。

8-2.一棟マンションを選ぶべき理由

一棟マンションか、区分所有か、という比較であれば、迷わず一棟マンションをおすすめします。一棟マンションは物件価格が高額になるのがネックですが、その点さえクリアできれば、以下の点で優位性があるからです。

①得られる家賃収入が多い

一棟マンション投資では、区分所有の場合よりも、単純に所有している部屋数が多いため、その分得られる家賃収入が多くなります。せっかく手間暇をかけて投資を行うのであれば、収入は多いほうが嬉しいですよね。

例えば、2億円で10部屋あるマンションを所有していて、その利回りが4%なら、毎月の家賃収入は約67万円となります。しかし、1部屋しか所有していないと、1部屋分、6万7,000円の利益しか得ることができません。

物件購入金額を工面できるのであれば、一棟マンションを選ぶのが良いでしょう。

②複数の部屋を所有するため、空室リスクが低い

空室リスクが低いという点も、一棟マンションのメリットの1つです。
先ほどの、10部屋あるマンションを運用している場合、そのうちの1~2部屋から退去が出ても、他の8~9部屋からは通常通りの家賃収入を得られるため、受けるダメージを分散させることができます。

しかし、区分所有で1部屋しか運用していない場合、空室期間が長引けば長引くほど、その間の家賃収入はゼロ円になるため、ローン返済などの出費がキャッシュフローを悪化させる原因となります。また、そうした焦りから、家賃を下げてでも入居者を入れたい、という判断をすると、今度は継続的に得られる収入が減ってしまいます。

このように、一棟マンションで複数の部屋を同時に所有する方法のほうが、空室によるリスクを分散することができます。

③管理にかかるコストをまとめられるため、投資効率が良い

3つ目のメリットは、一棟まとめて管理できるため、部屋数が多くても、管理コストは増えず、効率的に投資を行えるという点です。

別々の場所に、区分所有のマンションを複数所有するという投資方法もありますが、その場合、管理会社も不動産会社も別になることがあり、運用におけるやり取りが、部屋ごとに発生してしまいます。
しかし一棟マンションであれば、管理会社も不動産会社も1つで済むので、運用上の手間は特に増やさずに多額の家賃収入を得ることができるのです。

上記の理由から、新築、かつ一棟マンションを購入してマンション投資を行うのが、最も失敗しにくく、安定的に収入を得ることができるので、得策だといえます。

「サウンドプルーフ」では、防音に特化した新築・一棟マンションを活用したマンション投資の方法をご案内しています。お問い合わせはこちら 

9.まとめ

この記事では、マンション投資の基礎知識として、以下について詳しく説明してきました。

・マンション投資とは家賃収入と売却益で収益を得る投資方法
・マンション投資の種類は4種類(区分所有か一棟マンションか/中古か新築か)
・マンション投資の利回りは4~6%が目安
・マンション投資は他の投資と比較して「リスクが低く安定した利益を得ることができる」という特徴があるため、「長期間、安定収入を得たい」という人に向いている方法

さらに、マンション投資を検討している多くの人不安に感じている以下の点についてもお伝えしました。

・リスクを考えると定期預金や債券のほうが安心なのでは?:収益性の面でマンション投資のほうが有利
・老朽化したら儲かりにくいのでは?:マンションは適切にメンテナンスすれば100年以上住めるといわれているので、過度な心配は不要
・儲からずに自己破産してしまうケースも多いのでは?:実際に自己破産に至る比率は非常に低い

そして、マンション投資を始めるべきかどうかの意思決定に役立てていただくため、マンション投資のメリットとリスク、そして、マンション投資をおすすめする人・しない人についても、以下のように解説しました。

<マンション投資のメリット>
・他の投資と比較してローリスク
・他の投資より少ない手間で長期間収益を得られる
・生命保険代わりもなる
・節税効果も期待できる
・資産としての活用方法が幅広い

<マンション投資のリスク>
・空室が多いと赤字になる
・家賃が下がると収入が減り赤字になる
・自然災害により物件価値が下がるリスク
・金利変動リスク

<マンション投資をおすすめする人>
・手間をかけたくない人
・リスクの小さい投資がしたい人
・生命保険に加入していない人
・老後の資金不足が不安な人
・多額の現金を所有しており、相続税対策を考えている人
・高収入で節税対策したい人

<マンション投資をおすすめしない人>
・情報収集の時間がとれない人
・細かい収支計算が苦手な人

最後に、実際にマンション投資を始めてみたい、と思った人に向けて、失敗を防ぐ方法と、具体的な物件としては、「新築・一棟」がおすすめである理由を、以下のようにお伝えしました。

<マンション投資の失敗を防ぐためのポイント>
・災害リスクを回避する
・空室リスクの回避
・物件の老朽化による収益性低下を回避する

<マンション投資をする場合に新築マンションを選ぶべき理由>
・新築マンションは家賃を下げなくても入居者が集まりやすい
・10~15年程度は大規模修繕が発生せず収支が安定しやすい

<マンション投資をする場合に一棟マンションを選ぶべき理由>
・得られる家賃収入が多い
・複数の部屋を所有するため、空室リスクが低い
・管理にかかるコストをまとめられるため、投資効率が良い

最後までお読みいただいたことで、マンション投資の魅力やリスクを知ることができて、他の投資よりもマンション投資を選ぶべき理由や、失敗しないように始めるための方法をご理解いただけたのではないでしょうか。あなたの資産運用成功のために、この記事がお役に立てたようでしたら嬉しく思います。

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