2021.09.27
火災保険の長期契約|そのメリット・デメリット、よくある疑問を解説
Columnマンション経営コラム
2021.09.27
「アパートやマンションの空室対策は必要なの?」
アパートやマンションに空室が出てしまうと収益が下がってしまうので、空室が増えると空室対策をすべきか悩みますよね。
結論から言うと、今の時代は空室対策が必須です。
国土交通省が公表している「平成30年住宅・土地統計調査」を見てみると2018年時点で世帯数よりも住宅数のほうが約16%多く、住宅が充足している状態となっています。
アパートやマンションを探している人たちは複数の候補から、気に入った物件を選ぶことができる市場となっているのです。
今は空室対策が必要でない状態でも住宅が余っている以上、いつ空室が増えてもおかしくありません。だからこそ空室に悩んでいる場合やそうでない場合でも、計画的に空室対策を取り入れていく必要があります。
そこでこの記事では
◎無料でできる6つの空室対策
◎コストをかけて行う7つの空室対策
◎空室対策をするときに必要な2つの視点
◎今すぐ入居者を増やしたいときに実施すべき3つのこと
をまとめてご紹介します。この記事を最後まで読めば空室対策の方法が把握でき、実践できるようになるはずです。
現在空室対策に苦戦している人はもちろんのこと、アパートやマンションを所有している人はぜひ参考にしてみてください。
まずは、無料でできる以下の6つの空室対策をご紹介します。
コストをかけずにできる空室対策から始めたいという場合は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、今利用している管理会社の仕事ぶりを思い返してみましょう。
2019年に国土交通省が実施した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」を見てみると、約75%のマンションやアパートで不動産管理会社などの委託業者に頼り賃貸管理をしていることが分かります。
委託している業務内容を細かく見てみると、下記のように入居者募集や集金、クレーム対応や清掃業務など重要な業務を不動産管理会社などに委託していることが読み取れるでしょう。
不動産管理会社などの委託業者に任せている業務 | |
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集金 | 85.1% |
家賃督促 | 87.8% |
契約更新 | 85.2% |
敷金精算・原状回復 | 90.0% |
クレーム対応 | 91.2% |
入居者募集などの空室管理 | 84.4% |
清掃 | 74.8% |
維持管理・修繕(設備点検等) | 75.5% |
修繕積立金の管管理 | 15.8% |
※管理業務を受託・実施、管理業務を受託し、再委託の合計
参考:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」
不動産管理会社などに委託している業務を大きく分けてみると
①入居者管理業務:入居者募集やクレーム対応など入居者に関わる業務を行う
②不動産管理業務:清掃や修理などアパーやマンションなどの建物自体を運営管理する
の2つになるのですが、実はどちらも空室対策と密接な関係にあるのです。
業務内容 | 空室対策につながる点 |
---|---|
入居者管理業務 | ・入居者を募集する集客力が必要 ・入居者のクレームや問い合わせに柔軟に対応し、退去率を下げる |
不動産管理業務 | ・共用部分を始め建物を清潔に保つことで心地よく住んでもらう ・修理や修繕が必要な部分を見極めて、住民に不便な思いをさせない |
例えば、入居者管理業務では空室が発生したときに次の入居者を探す集客力が必要です。集客力に乏しい不動産管理会社に依頼をしている場合、不動産管理会社を変えることで新規入居者が集まってくる可能性があります。
清掃や設備の修理などの不動産管理業務が行き届いていない場合は、既に住んでいる入居者の不満が溜まり退去につながることが考えられます。
このように不動産管理会社の業務を振り返ってみて改善の予知がある場合は、同等の手数料で他社に切り替えることで空室対策ができるでしょう。
不動産管理会社の業務内容や選び方について、もう一度確認しておきたい場合は下記の記事も参考にしてみてください。
→不動産管理会社とは?依頼できる業務や失敗しない選び方を解説
空室対策のポイント |
---|
・不動産管理会社に任せている業務が問題なく実施されているか確認する ・集客力不足、清掃ができていない等の不満がある場合は他者に変えることで改善する見込みがある |
入居者が入居したいアパートやマンションなどの賃貸物件を探すときには、まず情報サイト、不動産会社の写真や資料に目を通します。
実際に内見をするのは見てみたい物件を絞った後なので、第一印象はあらかじめ用意している写真で決まると言っても過言ではありません。
・古い写真を使用している
・夕方や夜など暗い時間に撮影した写真を使用している
・キッチンやお風呂などの設備の全体像が写っていない
・写真の枚数が少なく情報量が乏しい
という場合は、すぐに掲載写真を見直してみましょう。
2020年10月に不動産情報サイト事業者連絡協議会が実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」を見てみると、物件情報を探す際に必要だと思う情報として水まわりの写真を望む声が多いことが分かります。
物件情報を探す際に必要だと思う情報は? | |
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トイレの写真 | 95.3% |
お風呂の写真 | 94.7% |
リビングの写真 | 94.0% |
キッチンの写真 | 94.0% |
物件の設備・構造・条件に関する文字情報 | 90.7% |
洗面所の写真 | 90.0% |
収納の写真 | 90.0% |
外観の写真 | 88.7% |
バルコニーの写真 | 80.7% |
玄関の写真 | 78.0% |
参考:不動産情報サイト事業者連絡協議会「不動産情報サイト利用者意識アンケート」
とくにトイレやお風呂、キッチンなどの写真は90%以上の入居希望者が必要だと捉えているため、不足していると候補から外れてしまうかもしれません。
また、同アンケートでは物件情報以外で欲しい情報として「周辺の商業施設情報」という声が88%となっていることもあり、最近ではアパートやマンション周辺のデパートやコンビニの写真も一緒に掲載している物件が増えています。
掲載写真の見直しは簡単にできることなので、ニーズに沿った魅力的な写真になっているか確認してみてください。
空室対策のポイント |
---|
・不動産会社や情報サイトに提供している写真が最新のものできれいに撮影できているか確認する ・入居者希望者が見たいと思っている水まわりや周辺施設の写真が含まれているか確認する |
現在入居者の条件を厳しく設定している場合は、ターゲット層を広めることで入居者を募るのも一つの方法です。
例えば
・外国人の入居者を受け入れる
・単身向けだったが二人入居を可能にする
・ペット可能物件にする
など今までになかった要望を受け入れることで、入居者希望者の目に留まる機会が増えます。
ここで注意しなければならないのが、既に入居している住民への周知と承諾です。新たに入居してくる住民は違う条件で入居してくるため、不満を持つ可能性があります。
とくに、静かに暮らしたいという目的で物件を選んだ住民がいる場合は、二人入居可やペット可にすることで退去してしまう可能性があるでしょう。
新規入居者を求めるあまり既存の入居者が退去してしまっては、空室が増えてしまい堂々巡りとなります。
入居者の条件変更は無料で簡単にできることではありますが、既に住んでいる住民の声を聞きながら慎重に検討してみてください。
空室対策のポイント |
---|
・現在の入居者条件を緩和することで、新たなターゲット層にアピールできるようになる ・無理な入居者条件緩和は既に入居している住民の不満となり退去につながる可能性があるので注意 |
アパートやマンションの引っ越しには、意外とお金がかかります。入居希望者がどれだけ魅力的な物件だと思っていても、予算が合わなければ入居することができません。
そこで、敷金や礼金を見直してみるのもおすすめです。
2019年に株式会社アルティメット総研が実施した「部屋探しに関するアンケート」では、契約のときに負担と感じている費用として礼金が一位となっています。
参考:株式会社アルティメット総研「部屋探しに関するアンケート」
敷金や礼金の価格を見直すだけでも、コストが合わないと仕方なく諦めていた入居希望者を取り込めるようになるでしょう。
敷金や礼金の相場は地域により異なりますが、首都圏ではどちらも家賃1ヶ月分程度だと言われています。相場よりも極端に高い場合は、見直しを検討してみることで空室対策になります。
空室対策のポイント |
---|
・敷金や礼金を下げることでコストが合わないと悩んでいたターゲットを取り込む ・首都圏の敷金や礼金の相場は家賃1ヶ月分程度なので、極端に高い場合は見直してみる |
第3章で詳しくご紹介しますが、そもそも既に住んでいる住民が退去しなければ空室は生まれません。
新規入居者の獲得に力を注ぎがちですが、住民の満足度を高めて退去したくない環境を維持するのも立派な空室対策です。
例えば
・定期的にアンケートを実施して住み心地を確認する
・住民からのクレームや問い合わせには丁寧に対応する
というのは、お金をかけずにできる方法です。定期的に住民の住み心地をチェックし、不満があれば直接話を聞くだけでも「丁寧に対応してもらえる」「安心感がある」と思ってもらえます。
また、クレームや問い合わせがあった場合にはすぐに対応することで、住民の満足度アップにつながるでしょう。
このように、すでに入居している住民のフォローやサポートの手厚さも見直してみましょう。
空室対策のポイント |
---|
・すでに入居している住民が減らなければ空室はできないので、住民へのサポートを見直す ・定期的なアンケートや問い合わせ対応を丁寧に行い、住み続けたくなる環境を維持する |
アパートやマンションの空室がなかなか埋まらない場合は、スモールオフィスやレンタルスペースの使用を認めるのも一つの方法です。
スモールオフィス | 個人または少人数で小規模オフィス、自宅で働く形態のこと |
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レンタルスペース | 利用料金、利用時間を設定し不特定多数の人が利用する多目的室 |
スモールオフィスは個人または少人数で事業を行う形態なので、アパートやマンションの一室でも仕事ができます。
また、レンタルスペースは空いているスペースを貸し出すことでレンタルキッチンや会議室、パーティースペースとして活用してもらえます。
昨今はさまざまな働き方が容認されるようになってきているため、地域にはよりますがスモールオフィスやレンタルスペースの需要が増えてきています。
ただし、入居者条件を緩和するときと同様にすでに住んでいる住民の住環境を損ねる可能性があるので、事前に説明や承諾が必要です。このように、住居以外の利用用途も可能にすることで空室対策につながります。
空室対策のポイント |
---|
・スモールオフィスやレンタルスペースなど住居以外の利用を可能にすることで空室を減らす ・さまざまな働き方が容認されるようになってきたため、スモールオフィスやレンタルスペースの需要が高まっている |
続いて、コストをかけて行う7つの空室対策をご紹介します。
お金をかけて本格的に空室対策を行いたい場合に参考になる方法ばかりなので、ぜひチェックしてみてください。
低予算でできる空室対策として、アパートやマンションなどの建物をきれいに保つことが挙げられます。
外観や駐車場、階段や廊下などの共用部分の清掃は建物を管理している側の役割です。この部分が汚れていると住民は心地よく生活できず、退去を考える要因となります。
週に1回、月に数回などの定期的な清掃はもちろんのこと、1年に1~2回は業者に依頼をして本格的な清掃をするといいでしょう。
アパートやマンションをきれいに保つのは、入居者のためだけではありません。入居希望者の内見時に廊下や階段、窓などが汚れているとマイナスポイントとなり入居者獲得から遠のいてしまいます。
建物の清掃は住民の退去防止と新規入居者の募集どちらにも効果がある空室対策となるので、ぜひ実践してみてください。
空室対策のポイント |
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・共用部分を定期的に清掃しきれいに保つことで、住民の住み心地向上につながり退去を防げる ・入居希望者が内見に訪れるときに清掃が行き届いていると印象がよくなる |
駐輪場や駐車場が確保できていると、それだけでも差別化につながります。
2015年にマンション・ラボが実施した「マンション駐車場の活用状況調査」では、マンションで暮らしている人の約61%が車を所有していることがわかりました。
そのうち92.7%の人がマンション付帯の駐車場に停めていると回答しており、車を所有している入居者の場合は駐車場がないことで選択肢から外れてしまうことが伺えます。
アパートやマンション周辺に駐車場となる場所を見つける必要がありますが
・近くの土地を買い取る、借りるなどして新たに駐車場を作る
・近くの駐車場と提携する
という方法で駐車場を作ると、とくにファミリー層をターゲットとしている場合は空室対策につながるでしょう。
また、駐輪場の設備を見直すことも空室対策となります。駐輪場がない物件は少ないと思いますが駐輪場が設けられていても
・屋根がなく自転車が濡れてしまう
・充分なスペースが確保されていない
という場合はマイナスポイントになります。自転車こそ所有者が多い乗り物なので
・一台ずつロック式で停められるようにする
・駐輪場に屋根や仕切りを設けて、快適に利用できるようにする
・駐輪場のスペースを広げる
・室内にスペースがある場合はエントランスなどに駐車場を作る
といった工夫を取り入れて管理しやすくすることで、他のアパートやマンションと差別化するポイントになるでしょう。
空室対策のポイント |
---|
・マンション住まいの車所有率が高いことから、駐車場を設けることで入居者確保につながる ・駐輪場は誰もが利用する設備なので快適に使えるようにして他の物件と差別化を図る |
今では欠かせない設備となっているインターネット回線。入居時に個人で契約しようとすると月額で3,000円~6,000円ほどかかることが多いです。
毎月固定費として払い続けると年間で36,000円~72,000円ほどの負担となるので、アパートやマンションの設備としてインターネット回線が備わっている物件を探している人は意外と多いのです。
実際に一般財団法人ハトマーク支援機構が公開している「入居者に人気の設備ランキング」では、単身世帯とファミリー世帯ともに3年連続でインターネット無料が1位となっています。
この設備があれば家賃が高くても入居が決まる!入居者に人気の設備ランキング | |||
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2017年1位 | 2018年1位 | 2019年1位 | |
ファミリー向け | インターネット無料 | インターネット無料 | インターネット無料 |
単身者向け | インターネット無料 | インターネット無料 | インターネット無料 |
参考:一般財団法人ハトマーク支援機構「入居者に人気の設備ランキング」
この現状からも、アパートやマンションにインターネット回線を導入することが大きな魅力となり、空室対策となることが想像できるでしょう。
最近では、マンション一棟やアパート一棟向けのインターネット回線サービスが登場しているので導入を検討してみるのも空室対策の一つです。
空室対策のポイント |
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・インターネットが無料で利用できることは入居者にとって大きな魅力となるので空室対策になる ・マンション一棟やアパート一棟向けのインターネット回線サービスが登場しているので導入しやすくなってきている |
初めての一人暮らしや単身赴任の場合は、引っ越し代と併せて冷蔵庫や洗濯機など家具の購入代がかかります。引っ越し費用がかさむことで、入居希望者が検討したくても対象から外れてしまうこともあるでしょう。
そこで、家具付きの賃貸物件にしてしまうことで入居時の負担を減らし、より多くの人に入居を検討してもらえるようにするのも一つの方法です。
例えば、下記のように冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなど必要な家具を用意しても10万円以内で納まります。
一人暮らし向けの家具を用意する場合 | |
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冷蔵庫 | 3万円程度 |
洗濯機 | 3万円程度 |
電子レンジ | 2万円程度 |
収納ボックス | 1万円程度 |
ファミリー向けなど大人数向けの賃貸になると家庭により必要な家具やサイズが異なるため向いていない方法ですが、単世帯向け物件である場合は空室対策として効果が期待できるでしょう。
空室対策のポイント |
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・一人暮らしを始める場合や単身赴任の場合は家具購入が負担となるので、家具付き物件にすることでターゲット層が広がる ・一人暮らし向けの家具は比較的価格が安いため、空室対策として取り入れやすい |
一度に大掛かりなリノベーションをすることが難しい場合は、他のアパートやマンションを差別化できるポイントを一箇所取り入れてみましょう。
他のマンションと差別化できるポイントの例 | |
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ハード面 | ・宅配ボックスなど最新設備を1つ導入する ・水まわりを1箇所新しくする(トイレ・洗面台など) ・おしゃれなインテリアを用意する(収納ボックス・照明など) ・エントランスや共用施設のグレードアップを図る |
ソフト面 | ・家賃や敷金、礼金をクレジットカード支払い対応にする ・フリーレントを取り入れる ・契約までの手続きを簡単にできるようにする |
ハード面では宅配ボックスやオートロックなど最新設備を1つ導入するだけでも、新たな魅力となります。
水まわりを1箇所のみ最新の設備にしたりおしゃれな備え付けインテリアを導入したりすると室内の見栄えが変わるため、室内の印象ががらりと変わるでしょう。
現段階で空室が少ない場合は共用施設や共用部分のグレードアップをして、住民の満足度を高めるのもおすすめです。
また、ソフト面では敷金や礼金、家賃の支払い方法をいくつか用意するだけでも資金繰りがしやすくなり、入居希望者にとってプラスとなります。
他には、初期費用を下げるために入居後1ヶ月間の家賃を無料とするフリーレントも人気があるサービスです。このように、予算と照らし合わせながら魅力となるポイントを1つだけ加えるだけでも空室対策につながります。
空室対策のポイント |
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・他の物件と差別化できるポイントを1つ作ることで、新たなターゲット層にアプローチできる ・ソフト面やハード面などターゲット層と照らし合わせて予算に合う空室対策を検討すればいいため、導入しやすい |
ターゲット層に合うリノベーションをすることで魅力的な物件にして、入居希望者を募るのも空室対策の一つです。
ここでは、
・ファミリー層
・シニア層
・単世帯向け
・他にない魅力をプラスする
という4つのターゲット層に合わせたリノベーション方法をご紹介します。
キッチンやお風呂などの水まわりは生活のしやすさに直結する部分なので、とくにファミリー層では重視される傾向があります。
・広くで料理しやすいカウンターチッキンがある
・お風呂が広くて子供と一緒に入浴できる
・トイレや洗面所は家族全員が使いやすい場所にある
など生活しやすく魅力的に感じる設備があれば、入居希望者の目に留まるポイントとなるでしょう。
ただし、水まわりのリノベーションは価格が高くなるのでコスト面の負担は大きいです。下記のように、キッチンの取り替えだけでも30万~60万ほどかかります。
水まわりをリノベーションするときの費用目安 | |
---|---|
キッチン | 30~60万程度 |
トイレ | 20~40万程度 |
お風呂 | 60~80程度 |
洗面所 | 20~30万程度 |
費用対効果を考えたときにすべての水まわりをリノベーションすることが難しい場合は
・子育て世代が満足できるおしゃれなカウンターキッチンを見どころにする
・新しくきれいなお風呂を見どころにする
など、まずは一つの設備に的を絞り検討してみるといいでしょう。
シニア層をターゲットとする場合は、高齢者の生活をサポートするようなリノベーションが望まれます。
・車椅子などでも乗れるようなエレベーターを設置
・室内の段差を減らす
・トイレやお風呂、キッチンなどに手すりをつけて移動しやすくする
・扉やドアの開け閉めがしやすい設備に取り換える
など高齢になっても快適に生活できる居空間を提供することで、高齢者の不安が少なくなり入居希望者の目に留まりやすくなります。
とくに手すりの設置や段差の削減はローコストで導入できるため、検討しやすいでしょう。
また、高齢者をターゲットとするときに併せて検討したいのがデイサービスや食事サポートとの連携です。
社団法人不動産協会が実施した「シニア期の住まい方に関する意識調査」では、共用食堂の設置やクリニック、介護施設との連携があると嬉しいとの声が目立ちました。
可能であればアパートやマンション周辺のデイサービスやクリニックと連携することで、より付加価値が上がり空室対策につながるでしょう。
参考:社団法人不動産協会「シニア期の住まい方に関する意識調査」
単世帯をターゲットにしている場合は、
①セキュリティ対策
②おしゃれなデザイン
の2つが空室対策の鍵となります。
①セキュリティ対策
とくに一人暮らしの女性の場合は、アパートやマンションのセキュリティを重視して住まいを選ぶ傾向があります。トラブルに巻き込まれることなく安心して暮らしたいという思いがあるので、
・防犯カメラの設置
・オートロックに切り替える
・24時間対応のヘルプデスクの設置
などセキュリティを重視したリノベーションを行うと他の物件と差別化できます。また、安心して暮らせるのは退去を減らすことにもつながるため、新規入居者とすでに入居している住民どちらにも効果を発揮できるでしょう。
②おしゃれなデザインを取り入れる
一人暮らしだからこそこだわれるのが、おしゃれな居空間です。周囲に自慢したくなるおしゃれなポイントを取り入れることで、このアパートやマンションに住みたいという気持ちが芽生えます。
例えば
・壁一面のみおしゃれな壁紙に変える
・洗面所やキッチンをデザイン重視の設備に変える
・備え付けの照明器具をデザイン性重視のものに変える
など、おしゃれだと感じさせるポイントを用意してみましょう。先ほどもご紹介したように、水まわりのリノベーションはコストがかさみますが、壁紙の張り替えや一部の照明器具の取り替えなら低コストで実践できます。
とくにコンセプトやターゲットがないマンションにやアパートの場合は、他の物件と差別化できる魅力をプラスしてみるのがおすすめです。
例えば、下記のようなコンセプトにしてみると他の物件にはない魅力を取り入れたリノベーションができます。
コンセプトを活かしたリノベーションの事例 | |
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ペットと住める物件 | 消臭機能付き壁紙を使用するなど、ペットと快適に暮らせることをアピール |
防音室のある物件 | ピアノやギターなど楽器使用を可能にして、満喫できることをアピール |
収納スペースが多い物件 | ウォークインクローゼットなど収納を確保し収納に困らないことをアピール |
共用施設充実の物件 | コンビニやカフェ併設など共用施設で魅力をアピール |
ペットと住めることをアピールしたい場合は、消臭機能つきの壁紙や床材に変えることで快適さを訴求。防音室を作る場合は、ピアノなど楽器を趣味としている人や仕事としている人の目に留まるでしょう。
このように新たな視点を入れたリノベーションをすることで、今まではターゲットとならなかった人たちも入居を検討するようになり空室対策ができます。
空室対策のポイント |
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・ファミリー層:水まわりをリノベーションして、生活のしやすさを訴求 ・シニア層:バリアフリーを取り入れて安心して暮らせる住環境を提供する ・単世帯向け:セキュリティ対策とおしゃれなデザインで他の物件を差別化する ・とくにコンセプトがない場合は新たな魅力をプラスし住みたくなる環境にするのもおすすめ |
【新築の場合はモデルルームを作るのもおすすめ】
新築の場合は実際に暮らすイメージができるモデルルームを作り、集客をするのもおすすめです。
とくに、建築途中から入居者を募り空室対策をしている場合は、モデルルームを作ることで入居希望者が「暮らしてみたい」と思えるようになります。
完成前の新築のマンションやアパートは情報が少なくなるため、モデルルームを公開することでイメージしやすくなり、安心感にもつながるでしょう。
思い切ってアパートやマンションの外観をリフォームするのも空室対策の一つです。外観はアパートやマンションの第一印象となる部分なので、外観がきれいだと入居希望者に好印象を持ってもらえます。
また、物件探しをしている人は日頃からアパートやマンションをよく見ているので「外観がきれいで気になった」「外観を見て住んでみたいと思った」という問い合わせが来る可能性もあるでしょう。
外観のリフォームは
・外壁の塗り替え
・外壁のデザイン変更(タイルを貼るなど)
が多く、一度施工してしまえば劣化するまでに時間がかかるため長い間空室対策の効果が持続します。
ただし、外壁のリフォームは時間とコストがかかります。3階建ての外壁の塗り替えでおよそ200~400万かかると言われているので、じっくりと検討する必要があります。
空室対策のポイント |
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・外観はアパートやマンションの第一印象となるので、きれいにするだけ入居者アップにつながる ・一度施工すると長い間きれいな状態が維持でき、長期的な空室対策となる |
空室対策は闇雲に実施しても費用がかさみ、大きな効果が見せません。空室対策を検討するときには
・新規入居者向けの対策
・既存入居者の退去を減らす
という2つの視点を持ち考える必要があります。ここでは、それぞれどのような視点なのか詳しくご紹介します。
空室をそのまま放置してしまうと収益が減少する一方なので、新規入居者向けの対策をする視点は必ず持っておきましょう。
ここで重要なのは、ある程度の空室ができたら対策をしようと思っていては手遅れだということです。第1章や第2章でご紹介した
・不動産管理会社を変える
・インターネット回線を導入する
・リノベーションを検討する
・家具付きの部屋を用意する
・敷金や礼金を見直す
などといった空室対策は、空室が生まれてから検討していては実施までに時間がかかります。空室対策を検討している間も空室のまま放置することになるため空室が出ないうちから
・次はどのような空室対策をするのか
・空室対策にどれくらいコストを使えるのか
検討しておくことがとても重要です。アパートやマンションのコンセプトやターゲット層を考慮しながら、新規入居者向けにどのようなことが有効なのか常に考えておきましょう。
アパートやマンションが一度満室となり、既存の入居者が住み続けてくれれば空室は出ません。
空室対策と言うと新規入居者を重視しがちですが、すでに入居している住民の満足度をあげて退去者を減らすのはとても重要な視点です。
不動産管理会社との契約方法や新規入居者募集方法にもよりますが、新しい入居者を募集して契約するのにはコストがかかります。しかし、アパートやマンションの住民に心地よく住み続けてもらえれば、コストがかからず空室対策ができるのです。
先ほどご紹介した空室対策では
・定期的にアンケートを取り住民の声に耳を傾ける
・建物の修理や修繕を行い、心地よく暮らせるようにする
・建物の清掃をして清潔な状態を保つ
・共用施設などをグレードアップさせて、満足度向上を狙う
などが当てはまります。「なかなか新しい設備を検討してもらえないから引っ越ししたい」「いつも汚れていて暮らしにくい」と思われないように、住民の目線に立ち居心地のいい環境を維持できるようにしましょう。
【退去時アンケートは空室対策に有効】
やむを得ず退去者が出てしまう場合は、退去時に住み心地や不満点を記入する退去者アンケートを実施するのがおすすめです。
退去者アンケートを見ることで、住民はどのような点に不満を抱えているのか見えてきます。例えば「自動販売機が欲しい」などと記載されている場合は、導入を検討することで住民の満足度向上につながるでしょう。
この課題を取り入れながら空室対策をすることで住民や新規入居者ニーズを掴みやすくなります。
ここまで多くの空室対策をご紹介してきましたが、中には「今まさに新規入居者が決まらなくて困っている」という場合もあるでしょう。
ここでは、すぐに空室対策をしなければならないという場合におすすめの
・入居者のターゲット層を広げる
・入居者募集を行っている営業担当に頑張ってもらう
・物件を紹介してもらえる仲介会社を増やす
という3つの方法をご紹介します。すぐにでも入居者を増やしたいと悩んでいる場合は、ぜひ実践してみてください。
第1章でもご紹介しましたが、入居者のターゲット層を広げる空室対策はすぐに実践でき即効性が期待できるためすぐに入居者を増やしたい場合に向いています。
例えば、現状は単世帯のみ、ペット不可の物件だとすると、単世帯でペットを飼っていない人にしかアプローチできません。
この条件を緩和して
・二人入居可能
・ペット可
まで広げれば、今までとは違うターゲット層にアプローチでき物件に興味を持ってくれる確率が一気にアップします。
しかし、すでに入居者がいる場合は異なる条件での新規入居となるので、事前に説明をして承諾を受けなければなりません。
現在の入居条件がターゲット層を絞り過ぎている場合は、条件を見直してみることで入居者アップにつなげましょう。
アパートやマンションを紹介してくれる仲介会社に出向くと、営業担当が入居希望者に合うおすすめ物件を紹介してくれます。
つまり、営業担当が積極的にアピールをしてくれないと、なかなか入居希望者の目に止まらないのです。そこで、所有しているアパートやマンションの営業担当者に「頑張ってアピールして欲しい」「何とか入居が決まるようにして欲しい」と声かけをすることが大切です。
営業担当が「どうにかして入居者を決めなければならない」という気持ちになれば、ターゲット層にアピールや売り込みをしてくれるでしょう。
ただし、短期間で契約を決めたりおすすめ物件としてアピールしたりする場合に別途手数料がかかる可能性があるので、事前に確認しておいてください。
代理契約 | 専属の不動産仲介会社のみが入居者募集依頼ができる方法 |
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媒介契約 | 複数の不動産仲介会社に入居者募集の依頼ができる方法 |
代理契約の場合は専属の仲介会社しか入居者募集ができませんが、媒介契約をを結んでいる場合は複数の仲介会社に入居者募集依頼ができます。
そこで、不動産仲介会社と媒介契約をしている場合は、物件を紹介してもらえる仲介会社を増やしてみるのも一つの方法です。
不動産仲介会社によって利用している入居者希望者は異なるため、目に留まる機会が増えて入居者が増やせる可能性があります。
「このアパートやマンションではそう簡単に空室は出ないだろう」「これからアパートやマンションを建てるから空室対策は必要ない」と思っている人もいるかもしれません。
国土交通省が公表している「平成30年住宅・土地統計調査」を見てみると、世帯数よりも住宅数が多い状態が10年以上続いています。
とくに、賃貸用住宅などの空き家数は、下記のように10年間で1.3倍に増えているのです。
※賃貸用又は売却用の住宅を含む総数
参考:国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査」
今は空室対策を急がない状態でも世帯数より住む場所のほうが多い状態が続いているので、いつ空室対策が必要となってもおかしくありません。
空室が増えたときに焦らなくてもいいように、すでにマンションやアパートを所有している場合は計画敵な空室対策を実施していきましょう。
これからアパートやマンションを建てる場合は、今回ご紹介した空室対策を参考に空室を出さない魅力的な物件を検討する必要があります。
ツナガルデザインでは、24時間楽器演奏ができる高い防音性を持ったマンションを販売しています。
明確なコンセプトがあるからこそ高い稼働率を維持できるため、長期間安定した経営が叶います。空室が出ないようなマンション経営を検討している場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
いかがでしたか?アパートやマンションの空室対策の方法や空室対策で大切な視点が把握でき、具体的に空室対策ができるようになったかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめてみると
◎無料でできる空室対策は次の6つ
1)不動産管理会社を変える:入居者募集や清掃などを任せている場合、不動産管理会社を変えることで空室対策となる可能性がある
2)アパートやマンションの掲載写真を見直す:ニーズに合わせた写真を掲載することで、入居希望者の目に留まりやすくなる
3)入居者の条件を緩和する:ターゲット層を広げることで新たな入居希望者を取り入れる
4)敷金や礼金を見直す:引っ越し時に負担となる費用を見直すことで、入居しやすくなる
5)既に住んでいる住民の声に耳を傾ける:退去者が出ないように住民の声をしっかりと聞く
6)スモールオフィスやレンタルスペースとしての利用を可能にする:用途を広げることで空室を減らす
◎お金をかけて行う空室対策は次の7つ
1)アパートやマンションをきれいに保つ:定期的に清掃をしてきれいに保つことで、住み心地のよさを維持する
2)駐輪場や駐輪場を確保する:駐車場や駐輪場があることでターゲット層が広がる
3)インターネット回線を導入する:インターネットが無料で使える魅力を取り入れて、他の物件と差別化する
4)家具付きの物件にする:引っ越し時の費用を減らして、入居しやすい状態にする
5)差別化できるポイントを1つ作る:他の物件と差別化できるポイントがあることで、この物件を選ばなければならないという理由になる
6)リノベーションをする:ファミリー層やシニア層などターゲットに合うリノベーションをする
7)外観をリフォームする:アパートやマンションの外観は第一印象となるので、印象をよくして入居希望者の目に留まるようにする
◎空室対策で重要な視点は次の2つ
1)新規入居者向けの対策:空室ができたときにすぐに新規入居者が集まるように、計画的な空室対策を行う
2)既存入居者の退去を減らす:既存の入居者が減らなければ空室はできないので、住民のサポートを怠らない
◎今すぐにでも新規入居者を増やしたい場合は、次の3つを行う
1)入居者のターゲット層を広げる
2)入居者募集を行っている営業担当に頑張ってもらう
3)物件を紹介してもらえる仲介会社を増やす
◎世帯数よりも住宅数が多い状態が続いているため、今は空室がなくても空室対策は欠かせない
この記事を参考に、満室の状態が維持でき収益につながるアパートやマンション経営ができるようになることを願っています。
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