2021.09.25
不動産管理会社とは?依頼できる業務や失敗しない選び方を解説
Columnマンション経営コラム
2021.09.25
「底地を売却しようか悩んでいる」
「底地をできるだけ高く売却することはできるの?」
底地は地主にとって賃料収益はあるものの、利用制限や固定資産税など所有メリットが薄い側面が多いので売却を検討しようか悩みますよね。
地主が底地を売却する主な方法としては、次の3つがあります。
そもそも底地は市場での流通がほとんどなく、売却自体が難しい土地です。借主の協力を得て売却を進めるのは現実的な方法ではありますが、正しい知識がない状態で交渉しようとすると思わぬトラブルにつながる可能性があります。それでは、まずいですよね。
だからこそ、底地の特徴や底地を売却する手順をしっかり把握した上で、専門家と二人三脚で進めることが欠かせません。
そこでこの記事では
◎底地を売却する上で知っておくべき基礎知識
◎底地を売却する3つの方法
◎底地をできるだけ高値で売却するには
◎底地を売却する手順
◎底地を売却するときの3つの注意点
◎底地を売却するときに役立つQ&A
をまとめてご紹介します。この記事を最後まで読めば底地を売却する方法や手順が把握でき、どのように底地売却を進めていくべきかイメージできるようになるはずです。
底地の売却は一筋縄ではいかないからこそ、正しい知識を身につけて適切な判断ができるようになりましょう。
まずは、底地を売却する上で知っておきたい
①底地とは賃借権がついている土地
②底地と借地の違い
③底地を所有しているメリット
④底地を所有しているデメリット
⑤底地を売ろう思っているなら早めに売るべき
⑥底地の売却相場(評価額)の計算方法
という6つの基礎知識をご紹介します。この基礎知識を把握しておくことで、底地とはどのようなものなのか理解を深めることができます。
底地の基礎知識を把握している人は第2章の「底地を売却する3つの方法」からチェックしてみてください。
底地とは、借地権がついている土地と土地の所有権を指します。
簡単に言うと、地主が他の人に土地を貸して利益を得ている状態の土地のことです。
アパートやマンション、自分の家を建てるときに、他の人から土地を借りて建物を建てたとしましょう。この場合、地主と借主は賃貸借契約を結ぶ必要があります。
賃貸借契約とは、土地などの目的物を貸すことと引き換えに賃料を支払う契約をすることです。賃貸借契約をすると
借主(借地人・賃借人):地主から土地を借りる代わりに、賃料を支払う
地主(賃貸人):土地を貸す代わりに賃料をもらう
という関係性が生じます。そして、地主から見たときに借主と賃貸借契約を結び借地権のある土地のことを「底地」と呼んでいます。
借地とは、借地権のある土地を借りている借主側から見たときの呼び名です。借主は地主と賃貸借契約を結んでいるため、契約に従って借地の上に建物を建てるなど自由に使えます。
「底地」は、借地権のある土地を地主から見たときの呼び名でした。つまり「底地」と「借地」は同じ土地を指しているのです。
土地を貸して賃料をもらっている地主から見ると「底地」となり、土地を借りて利用している借主から見ると「借地」になります。
借地権が発生している土地は、どの立場から見るかにより呼び名が異なるため注意しましょう。
底地を所有していると
・賃貸収入が得られる
・維持管理にコストがかからない
という2つのメリットがあります。それぞれどのようなメリットなのか、チェックしてみてください。
地主が底地を所有している最大のメリットは、賃貸収入が発生することです。
先ほども説明したように底地には借地権がついており、第三者に貸す代わりに賃料を受け取ります。借地権が継続する限り、地主は安定した一定の収入が得られます。
借地権の契約期間は借地借家法で定められており、普通借地権の場合は30年以上となっています。(定期借地権の場合は別の期間が設けられています)
借地権の存続期間
第三条
借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。 引用:借地借家法
特例がない普通借地権つきの土地の場合は、最低30年は賃料の支払いが継続するのです。将来に渡り一定の収入が得られるというのは、底地を所有するメリットだと言えるでしょう。
土地を所有していると、草刈りや不法侵入されていないかの管理など定期的なメンテナンスが必要です。
しかし、底地にしてしまえば底地を借りている借主が土地の維持管理をしてくれるため、自分で維持管理をする手間が省けます。
・所有している土地を自分で利用する予定がない
・相続で土地をもらったが利用目的が見つからない
という場合は、底地として所有することで維持管理にかかるコストが減らせます。
底地を所有するメリットが把握できたところで、デメリットとしては
・地主が土地を自由に利用できない
・流通性が低い
・いつまでも同じ価格を維持できるとは限らない
・相続税の対象となる
という4つが挙げられます。どのようなデメリットがあるのか把握して、底地を売却すべきか考えてみましょう。
底地は、地主が使いたいときに自由に利用できません。
底地を所有するメリットでも紹介したように、普通借地権の場合は最低継続期間が30年となります。言い換えれば、最低30年間は「そろそろ家を建てよう」と思っても地主が土地を自由に利用できないのです。もちろん賃貸借契約は更新ができるため、更新を続けていくと半永久的に自由な利用ができないでしょう。
また、借地権は地上権と土地の賃借権の2つの権利を指すため、借地権付きの土地にどのような建物を建てられても文句が言えません。(賃貸借契約で規定している場合を除きます)
このように、地主が所有している土地にもかかわらず
・自分の使いたいときに土地を自由に使用できない
・納得のいく方法で土地が利用されるとは限らない
というのは、デメリットだと言えるでしょう。
底地が流通している市場はほとんどなく、ニーズが少ないのが現状です。
底地には借地権が付いているため、底地を借りている借主が自宅を建てたりアパートやマンションを経営したりと何らかの方法で利用していることになります。
建物が建っているということはそこには住民が住んでおり第三者が自由に土地を使っている状態なので、底地を買い取る人は賃料を受け取れても底地を自由に使えません。
・借主が底地を買い取る場合
・公共事業などのために建物と併せて底地を買い取る場合
・投資家が賃料収益のために底地を買い取る
ことはあっても、第三者が購入するケースはとても少ないです。底地であり続ける限りはそもそもニーズが少ないので、将来的に得をする可能性は低いでしょう。
後ほど詳しく解説しますが底地の売却価格を知りたいには、目安として底地の評価額を算出します。底地の評価額は更地価格×(1-借地権割合)で計算するため、更地価格が売却額に大きく影響します。
更地価格は景気や周辺環境の変動に大きく左右されるので、現在の価格を今後も維持できるとは限りません。
国土交通省が発表した2020年1月時点の公示価格(更地の価格)を見てみると三大都市では昨年を上回っていますが、長野県や福島県などでは下落しており底地がある地域によっても差が出ている状態です。
2020年の公示価格の変動率(住宅地の昨年比率) | |||
---|---|---|---|
全国:+1.4% | 東京圏:+1.4% | 大阪圏:+0.4% | 名古屋圏:1.1% |
参考:日本経済新聞「公示地価5年連続上昇 20年、台風被災地には爪痕」
このように底地の価格は変動のある更地価格が影響するため、底地を持ち続けたところで同じ価値が維持できるとは限りません。
底地は財産扱いとなるので、所有者が亡くなった場合に相続をすると相続税の対象となります。
底地を相続するときの相続税額は、相続税評価額×(1-借地権割合)で算出できます。相続税評価額は路線価や固定資産評価額を基に算出されますが、時価の8割程度が目安です。(借地権割合の算出方法は、後の底地の評価額の計算方法で解説しています)
例えば、
①相続税評価額:1,000万
②借地権割合:50%
とすると、1,000万×(1-0.5)で500万円程度の相続税が必要です。これに加えて、相続を受けた人は毎年底地の固定資産税や都市計画税を払い続けなければなりません。
「いつか利用するかもしれない」と考え底地を持ち続けることも、場合によっては大きな負担となる可能性があります。
「底地を手放そうか悩んでいる」という場合は、できるだけ早く売却するのがおすすめです。底地を所有するメリットやデメリットでもお伝えしてきましたが、
①流通性の少ない土地なので、所有し続けていても売却しにくい
②底地の価格が維持できるかどうか分からない
③賃料を受け取ってはいるが、毎年の固定資産税や都市計画税、場合によっては相続税を考えると収益性が低い
という3つのポイントがあるからです。
とくに、賃料はもらっているものの税金の負担が大きく、所有し続けることが難しいことはよくあります。
また、底地は流通性が低いため、基本的には更地よりも安い価格でしか売却できない可能性が高いです。底地のまま所有していても資産価値が低いので、売れるときに売却したほうがいいという意見もあるようです。
このように、底地をどうしようか悩んでいる場合は、一度売却を視野に入れて考えてみましょう。
底地を売却するときの目安として、底地の評価額があります。底地の評価額は
更地価格×(1-借地権割合)
で算出できます。いくらくらいで売却できるのか目安が把握できれば、売却すべきか判断する材料となるのでぜひ参考にしてみてください。
先ほどもご紹介したように、底地の評価額は
更地価格×(1-借地権割合)
で算出できます。ここからは、詳しい算出の手順を解説していきます。
①更地価格を確認する
まずは、底地となっている土地の更地価格を把握します。
路線価は公示価格の8割を目安に設定されていますので、路線価を1.25倍する方法で更地価格を求める方法があります。
この算定方法を用いる場合には、更地価格は、路線価×1.25×土地の面積で算出できます。
路線価を確認するには国税庁の路線価図・評価倍率表を開いて、底地がある都道府県をクリックします。
目次が表示されたら、一番上の「路線価図」をクリックします。
市町村が表示されるため、底地がある地域の市町村を選択します。
地図が表示されるため、底地がある土地を探します。底地がある区画の近くに表示されている数字が路線価です。
地図には、1㎡あたりの路線価が千円単位で記入されています。上記の黄色に囲ってある部分は「225D」なので、1㎡あたりの路線価が225,000円となります。(アルファベットを除いて算出します)
例えば、底地の敷地面積が50㎡ある場合は、225,000円×1.25×50㎡=14,062,500円となり14,062,500円が更地価格となります。
②借地権割合を確認する
借地権割合とは、建物の価値に占める借地権の割合のことです。
借地権割合は、路線価を確認した路線価図・評価倍率表の地図上で確認できます。注目すべきは、数字の後ろについているアルファベットです。「225D」の場合、アルファベットはDとなります。
地図のページの右上に下記のような借地権割合が記載されているので、アルファベット部分の割合を見てみます。「D」の場合は60%となるため、借地権割合は60%となります。
ここまでの計算をまとめると
①更地価格:14,062,500円
②借地権割合:60%
になります。更地価格×(1-借地権割合)に当てはめてみると
14,062,500×(1-0.6)=5,625,000となるので、底地の売却額の目安は562万5千円です。このケースでは更地よりも60~70%ほど安い価格での売却となってしまいます。
底地を売却するときには
・仲介手数料
・登記簿の情報を更新するための書類作成費用
・底地の調査費用(売却価格の査定や境界線の判断など)
・譲渡所得税
などがかかります。例えば、
・仲介手数料:50万円
・登記簿の情報を更新するための書類作成費用:20万円
・底地の調査費用(売却価格の査定や境界線の判断など):10万円
・譲渡所得税:200万円
だとすると、底地の売却価格より280万円を差し引いた金額が売却後に残る金額となります。
ただし、底地の売却は通常の土地と異なり借主が土地を使用しているという特殊なケースなのでトラブルになりやすく、専門家と共に進めていくことが多いです。その場合は専門家への依頼費用がプラスされるため、費用がかさみます。
底地を売却する方法としては
・借主に底地を買い取ってもらう
・借地権と底地を同時に売却する
・不動産買取業者など第三者に売却する
という3つの方法があります。それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのかご紹介します。
底地を売却する理想的な方法は、借地権者である借主に底地を買い取ってもらう方法です。
借主はすでに底地を自由に使用している張本人です。
・底地の上に建てたアパートやマンションの経営が軌道に乗っている
・底地の上に家を建てた場合、周辺環境や利便性が気に入り手放したくないと思っている
・定期的な賃料の支払いが面倒なので、買い取りたいという気持ちがある
という状況であれば借主にとってもプラスとなるので、両者の同意を得てスムーズに底地を売却できるでしょう。
借主に底地を売却するときには、第1章でご紹介した底地の評価額に何パーセントかをプラスして売却できる「限定価格」が採用される可能性があります。(例外もあります)地主から見ると、借主が売却相手であればより高く底地を売ることができるのです。
これは、第三者に底地を売却する場合とは異なり借主にとってメリットが発生するので、いくらか上乗せしても経済合理性が取れると考えられるからです。どれくらい上乗せできるのかは底地の利用状況等により異なるため、専門家に相談してみましょう。
一方で、借主に底地を売却するデメリットとしては、そもそも借主が底地を買い取る気がない場合や底地を買い取れるだけの経済力がないと交渉が難航するところです。
他力本願にはなりますが、借主に底地を売却したい場合は借主が底地を買い取りたいと思えるかどうかがポイントとなります。
借主に底地を売却する場合 | |
---|---|
メリット | ・限定価格が採用されるため、他の方法よりも高く売却できる可能性がある ・借主にとってもメリットとなり得るので、承諾が得られればスムーズに進む |
デメリット | ・借主に底地を買い取る気がないと交渉が難航する |
借主と地主の双方合意が得られる場合、借地権と底地を同時に売却する方法もあります。
底地である土地と建物を同時に売却に売却することで権利関係が解消されて、底地を買い取った人は制限なく自由に利用できるようになります。
また、底地と借地権を同時売却をすると底地単体で売却するよりも価値が高まるため、相場よりも高く売却できる可能性があるところもメリットだと言えるでしょう。
ただし、借地権と底地を同時に売却するのは簡単なことではありません。借主が借地権を売却してもいいと考えていないと、売却の同意を得られません。無理やり話を進めようとすると、大きなトラブルに発展します。
借地権と底地を同時に売却できるタイミングとして多いのが賃貸借契約の更新時期なので、このタイミングでまずは相談をしてみるのも一つの方法です。
借地権と底地を同時に売却できるとなった場合には利益分配でもめることが多いので、専門家を交えながら慎重に進めるようにしましょう。
借主に底地を売却する場合 | |
---|---|
メリット | ・底地と借地権を同時売却をすることで価値が高まり、相場より高く売却できる可能性がある ・底地を買い取る人が自由に利用できるため、買い手が見つかる可能性がある |
デメリット | ・借主と売却したいタイミングを合わせる必要があり実現が難しい ・いざ同時売却をするとなったときに、借主と利益分配でもめることが多い |
底地を今すぐ売却したい場合は、
・不動産買取業者
・地代を収入源にしたい投資家
などの第三者に売却する方法もあります。
地主が底地を第三者に売却するときに借主の承諾を得る必要はないので、トラブルを避けながらスムーズに売却手続きができます。
デメリットとしては底地の評価額を目安とした売却額となるので、他の2つの方法に比べると安価な価格での売却となるところです。場合によっては底地の評価額よりも低くなることが考えられるため、高い売却益は望めないでしょう。
また、第1章でもご紹介したように底地は流通性が少ないため、第三者であっても必ず売却できるとは限りません。
第三者に底地を売却する | |
---|---|
メリット | ・借主に許可を得る必要がなく、スムーズに進められる |
デメリット | ・底地の評価額を目安とした売却額となるので、他の2つの方法に比べると安価な価格での売却となる ・第三者への売却であっても、必ず売却が成立するとは限らない |
「せっかく底地を売却するなら、少しでも高く売りたい」と考える人は多いでしょう。先ほどからご紹介しているように、底地は簡単に売却できるものではないため高く売却するのはなかなか難しいです。
それでも高く売却しようとするなら
・借地権者である底地の借主に売却する
・借地権と底地を同時に売却する
・借地権を買い取り完全な土地にして売却する
という3つの方法があります。なぜ他の方法よりも高値で売却できるのかという理由も併せてご紹介します。
底地を高値で売却する現実的な方法として、真っ先に考えられるのは借地権者である底地の借主に買い取ってもらうことです。
第2章でもお伝えしましたが借主に底地を買い取ってもらう場合には、基本的に限定価格が採用されます。(例外もあります)限定価格は底地の評価額に何パーセントかをプラスして算出した価格なので、相場よりも高く売却できます。
これは、底地を買い取ることで借主にもメリットが生じるという関係性だからこそ叶うことです。借主に底地を買い取る意思が少しでもある場合は、最優先したい売却方法として検討してみてください。
借地権と建物を同時に売却する方法も、底地単体で売却するより高く売れる可能性があります。
まとめて売却すると第三者にとっては市場に出回っている中古物件と変わりがないため、買い手がつきやすくなります。買い取った人が土地と建物のどちらも自由に活用できるため、制限のある底地だけで売却するよりも高く売れるのです。
底地と借地権を同時に売却するには、賃貸借契約や借地権の更新をするタイミング、借主が建物を必要としなくなったタイミングで検討することが多いです。ただし、双方の足並みが揃わないと実現しないことなので、底地を借主に買い取ってもらうよりも難易度が高いでしょう。
地主が底地の借地権を買い取って、制限のない土地にした後に売却するのも一つの方法です。借地権を買い取ってしまえば底地ではなく更地の状態になるため、通常の土地売却相場と変わらない価格で売却できます。
ただし、借主の借地権を買い取ることは簡単なことではありません。借主と地主の間では賃貸借契約が結ばれていますし、契約更新時であっても借主の意見を無視できません。
また、借地権は借地借家法で守られているため、地主の自己都合のみで借地権を解消することは不可能です。
底地を高く売却できる方法ではありますが、借主側が借地権を解除したいと考えない限りは現実的ではないでしょう。
底地売却は複雑なのでケースにより進め方が異なりますが、基本的には下記のような手順で進めていきます。
どのようなことに注意しながら進めればいいのか、一つずつ解説していきます。
まずは、底地を売却する相手を決めます。
第2章でご紹介した
・借主に売却をする
・借地権と底地を同時に売却する
・不動産買取業者など第三者に売却する
という方法の中から実現できそうなものを選びます。
借主に軽く相談をするくらいならいいですが、地主一人で借主と交渉をしようとするとトラブルになる可能性があります。
この時点では複数の方法を選んでも構わないので、どのような売却方法が考えられるのか検討してみてください。
底地を売却する交渉を始める前に、不動産業者や不動産鑑定士に依頼をして底地の査定を行います。
・底地の周辺環境や現状
・借主との契約状況
・売却をする方法
によって底地の売却価格が異なるため、プロの知見から適正な売却価格を査定してもらいましょう。このときに査定価格が想像と大きく違った場合には、底地の売却自体を見直すことが可能です。
底地を売却することを決めた場合には、底地を売却するための交渉を始めます。借主や不動産買取業者など、底地を買い取ってほしい相手にアプローチをします。
底地を売却するときは借地借家法や民法などの法律が関わってくるため、地主一人で進めると大きなトラブルに発展する可能性があります。
必ず不動産業者など専門家を交えて、一緒に進めるようにしましょう。底地の売却は一筋縄ではいかないケースが多く、場合によっては時間を要することや交渉自体が難しくなることも考えられます。
地主と借主や不動産買取業者など底地を買い取る相手との双方の同意が得られたら、初めて底地の売却が成立します。
底地の売却時には、
・底地を売却する相手との間で売買契約書を締結する
・底地の新たな所有者に登記を移行する
・底地の売却相手によっては、借主との賃貸借契約書内容の確認
を行います。底地の登記移行完了をもって、新たな所有者の底地となります。
このように、底地を売却するときには
・誰に売却をするのか
・いくらで売却をするのか
・どのタイミングで売却をするのか
がとても重要です。底地は更地とは異なり借地権があり借主がいる以上交渉が複雑化する可能性があるので、焦らずサポートを受けながら進めてください。
底地を売却するときには
・底地を売却することで、譲渡所得税が発生する
・借地権の境界線を明確にしておく
・底地の売却は専門家と進める
という3つのポイントに気をつけながら進めていきたいところです。具体的には、どのようなことに気を付けなければならないのかご紹介します。
底地を売却して得た収益は、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税とは、建物や土地を譲渡して収益が出た場合に支払う税金のことです。底地を売却して得た収益により「住民税」と「所得税」、「復興特別所得税」がどれくらいかかるのかが決まります。
つまり、底地を売却して得た収益はべてが手元に残るのではなく
底地を売却して得た収益-底地を売却するときに必要な諸費用-譲渡所得税=手元に残る収益
となるのです。底地を売却するときから譲渡所得税のことを考慮しておかないと、売却益がほとんど手元に残らないことにつながります。
譲渡所得税の詳しい算出方法は下記の記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産 譲渡税
底地の売却をするときには、借地権の境界線を明確にしておきましょう。
建物の境界線と借地権の境界線は、同じだとは限りません。
例えば下記のように家の周りに塀がありそこが境界線だと思っていても、実際に測量をしたり登記確認をしたりすると塀の外側にも借地権つきの土地があったという場合があります。
これを知らずに底地の売却を進めてしまうと、後から借地面積の相違や境界線の位置でトラブルになる可能性があります。
できれば底地の査定と同時に測量や登記簿確認を行い、適切な境界線を把握した上で底地の売却を進めていきましょう。
底地を売却する手順でもご紹介しましたが、底地を売却するときは借地借家法や民法などの法律が関わってきます。
地主が個人的に底地の売却を進めようとすると
・法律と異なる部分がある
・的確な順序を踏めていない
・借主に売却したい場合は、一方的な無理のあるお願いになっている
という可能性があるためトラブルに発展しやすく、最悪の場合は裁判で争う形になるかもしれません。
底地の売却を検討する場合は、検討を開始した段階から不動産業者や不動産鑑定士などの専門家と一緒に進めるようにしましょう。
最後に、底地を売却するときに知っておきたいことをQ&A形式でまとめてみました。底地の売却で気になることや疑問点がある場合は、ぜひ参考にしてみてください。
A.底地を第三者に売却するときに、借主の許可を得る必要はありません。
ただし、賃料支払いなど引き継ぎしなければならないことがあるため、売却が決まった際には借主に報告をしておいたほうが後にトラブルになりません。
A.登記の所有権を移行した後なら、借主に賃料を請求することができます。
底地を売却することで地主としての地位が新たな所有者に移行することになるため、底地の売却前と同じ契約が引き継がれます。
A.底地を所有していると、固定資産税や都市計画税がかかります。固定資産税は土地や建物の所有者に対して課税される仕組みなので、借主ではなく地主が負担することになります。
場合によっては固定資産税などの負担が大きく、底地を所有しているメリットが少ないケースもあります。
いかがでしたか?底地を売却するための基礎知識や方法、手順が把握でき、底地を売却する方法を具体的にイメージできるようになったかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめると
◎底地とは、地主から見たときに借主と賃貸借契約を結び借地権のある土地の呼び名
◎借地とは、借地権のある土地を借りている借主側から見たときの呼び名
つまり「底地」と「借地」は同じ土地を指している
◎底地を所有しているメリットは次の2つ
1)底地を貸していると賃料が発生するので賃貸収入が得られる
2)維持管理にコストがかからない
◎底地を所有しているデメリットは次の4つ
1)借地権がついているため、地主が自由に利用できない
2)底地は市場に出回ることが少なく、流通性が低い
3)いつまでも同じ価格を維持できるとは限らない
4)相続税の対象となるため、相続を繰り返すとコストがかかる
◎底地を売却するときの目安となる価格は、更地価格×(1-借地権割合)=底地の評価額
で算出できる
◎底地を売却する方法は次の3つ
1)借主に底地を買い取ってもらう
2)借主と協力して、借地権と底地を同時に売却する
3)不動産買取業者など第三者に売却する
◎底地を少しでも高く売却する方法が次の3つ
1)借地権者である底地の借主に売却する:限定価格が採用されるため通常より高く売却できる
2)借地権と底地を同時に売却する:中古物件のような状態で売却できるため底地よりも高値になりやすい
3)借地権を買い取り完全な土地にして売却する:更地にして売却することで、売却価格をアップさせる
◎底地を売却するときの手順は次のとおり
1)借主や不動産買取業者など売却する相手を決める
2)底地の査定を依頼する
3)底地売却の交渉を行う
4)双方が同意をしたら売却が成立する
◎底地を売却するときの注意点は次の3つ
1)底地を売却することで、売却で得た収益に対し譲渡所得税が発生する
2)トラブルを避けるためにも、借地権の境界線を明確にしておく
3)底地の売却は専門家と進める
この記事をもとに、自分に合う方法でトラブルなく底地の売却が進められることを願っています。
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